明治43年測図昭和5年修正5万図「市野瀬」内務省 Stanford Digital Repository の一部。美篶(みすず)は由緒ある信州の古称
天竜川は河川法の上では諏訪湖の釜口水門が源流で、延長 213.0 km、流域面積約 5,050 km²。伊那谷の河床勾配は100分の1から250分の1でおおむね急。その分水界をざっくりトレースして流域を可視化してみる(PCで全画面表示をお勧めします)。
※八ヶ岳の山裾から富士見町の谷中分水界にかけて判読がきわめてむずかしいので、特にざっくりしている。疏水は無視した。
支川も暴れ河で三峰川の および小渋川の が治水の代表格、いずれも土砂崩落地帯ゆえ堆砂がたいへんなようだ。
日本屈指の大きさを誇る はもともと発電が目的だったが、現在は洪水調節の役目もある。
俯瞰すると諏訪湖に流れ込む中小河川のエリアが存外広く、たまに氾濫するのも納得。今月5日には で土石流が発生した。
なお諏訪の年間降水量平年値は 1301.5 mm、飯田は 1688.1 mm と少なめ。災害は梅雨などの長雨や台風のケースが多い。
個人的には、奈良井川が食い込んでいるせいで昔から鳥居峠~辰野のあたりが(木曽川、犀川、天竜川いずれの水系か)混乱しやすい。
平谷村の大部分と根羽村は矢作川の水系に入るから、生活圏や文化圏は南信ではなく三河だろう。
また思いのほか愛知県北東部(豊根村、東栄町、設楽町の一部)が広く天竜川流域に包含されている印象。
南アルプスは釜無川を例外として分水界と行政界がおおむね一致しており、よくできたものだと思わされる。
その一方でリニア中央新幹線が揉めているのは、滑稽というのか皮肉というのか。
この地域はなにかと魅力的なので、いろいろ書いてきた。
国土交通省中部地整、天竜川上流河川事務所の「語りつぐ天竜川」は、貴重で重要なアーカイブ。
こちらも参照を=日本の主要な分水界のマップ、日本全国のダム一覧マップ および アメダス降水量と気温の一覧マップ
大学生の時、諏訪湖に近い国道20号で真冬の深夜に道路交通量調査員のアルバイトをしたのを思い出した(寒さと空腹は人生の敵)。
18日、余談の追記。
北朝鮮、鉄道発射式ミサイルの映像公開 日本海の標的を「正確に打撃」(BBCニュース、9月17日)
この記事の映像で、遠景の地形、小さな谷を伏樋と盛土で埋めているところ、線路の曲線半径、隧道の長さなどから、発射地点は平安南道・平羅線の巨次(Geocha)駅と石湯温泉(Seoktangoncheon)駅の間、Latitude: 39.27546、Longitude: 126.80482 あたりではないかしら? >Google Maps
あくまで個人的な推測ですけど、近年は元山や旗対嶺の周辺が使われることが多いので。