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大井川の流域と分水界を描く

公開: 2021年09月20日, 更新: 2023年04月11日 by ちずぞう

明治41年測図昭和8年要部修正5万図「井川」内務省 Stanford Digital Repository の一部。井川ダムに沈む前。

井川ダムに沈む前

前回記した天竜川の隣、大井川は河川法の上では間ノ岳が源流で、延長 168.0 km、流域面積約 1,280 km²。その分水界をざっくりトレースして流域を可視化した。率直な感想として「広くない」。河川法の上では二軒小屋が起点のようだ。
その広くない流域に14ものダムがあるが および を除いて他はすべて発電用というところが特徴的。

青薙山から南西に延びる尾根に二重山稜がある。赤崩やボッチ薙といった大規模な崩落地から大井川へ土砂を供給していて、おっかない。
川根本町の久野脇付近は切断段丘や穿入蛇行がダイナミック。その少し下流、島田市の家山駅付近は蛇行による古い流路跡らしきが点在している。

これだけ発電用ダムが集中すれば水が枯れるのは当然のように思える。最も上流にある だけ導水路が東の山梨へ延びる。
リニア中央新幹線のルートを合わせて示しているが、水をめぐる諍いは古くから各地で繰り返されてきていることであり、円満な解決はむずかしいと思う。しかも戦いの構図は「JR東海 vs. 静岡県」という単純なものではない。背後にもっといろいろ絡む。
なお流域のアメダスは井川と川根本町しかない。

こちらも参照=日本の主要な分水嶺分水界のマップ日本全国のダム一覧マップ および リニアの駅とルート最終案の地図

余談、「てにをは」の「は」が多すぎる傾向が治らない。長年のクセなのか文章力の限界なのか。
先週から妻氏が「las islas Canarias が危ないらしいわねぇ」と言っていたのだが、本当に裏切らない。

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