北海道の大分水嶺

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公開日:2021-01-31 更新日:2021-08-14

北海道大分水点と大分水嶺については、ずいぶん前から報道されていたが、取り上げる気にならなかった。なぜなら振興局(支庁)の境界とほぼ合致するため、すでに地図には線が引かれており、Path Finding の面白味がないからだ。
しかし日高から松前に至る分水界は行政区域の線と一致しないところもあるので、これだけは面白いかも知れないと思いトレースしてみた。難しそうなのは、低平な千歳の周辺。

滑走路に阻まれる

大正7年測図昭和10年修正5万図「千歳」を見ると、美々川右支の美沢川と、千歳川右支のママチ川、これらの間の丘陵を追えば谷中分水界は見当がつく。

大正7年測図昭和10年修正5万図「千歳」の一部、Stanford Repository

しかし現状は、陸自の東千歳駐屯地や、千歳空港の滑走路が分水界を不明にしている。千歳市の都市計画図など見ても、近代の造成によって周辺も判別できない。火砕流台地の末端もあり、地理院地図の「自分で作る色別標高図」を対照して想像するしかない。

地理院地図「自分で作る色別標高図」

本題、POI 北海道大分水点を起点として、ざっくりトレースしてみた結果。問題の千歳の推定部分はオレンジ色とした。

色別標高図:  

樽前山の POI Lava Dome の部分は、少し錯乱した(なんだか視覚的に騙される)。1909(明治42)年の噴火でこの溶岩ドームが形成されたそうなので、市境の線は、それ以前の南へ緩く傾斜した分水界だったのだろう(新燃岳のようなフライパンを想像した)。
秘境駅として知られる小幌駅に POI 近いところは、分水界から噴火湾まで約 240 m しかない。
長万部の POI 谷中分水界は、黒松内町との境界と一致しない。蕨岱集落の生活に根差した何らかの理由に因るのだろうか(入植の歴史も古いはずだし、稲荷神社もある)。

日高山脈の戸蔦別岳~エサオマントッタベツ岳あたりの氷河地形は、シロかクロか有無を言わさぬようなシャープな山稜で分かり易い。
対照的に、稚内に近い宗谷丘陵は周氷河作用で起伏に乏しく波状で曖昧なので、極めて大雑把にトレースした。

こちらも参照:

※2021年8月追記:まとめました=日本の主要な分水界のマップ

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