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本沢ダムと甲州街道と相模川橋梁

公開日: 2024年9月9日

ロックフィルの本沢ダムは城山ダムの上部調整池、揚水式で相互に水を融通し地下で発電している。流入河川はない。
本沢ダムの湖が城山湖で城山ダムの湖が津久井湖、名称も融通していてまぎらわしい。いずれも1965年完成
#ダム #街道 #リニア

本沢ダム

堤高 73.0 m、1日で最大 28 m も水位が上下することもあるそうだ。もともと境川の源流でダム建設前は水田もあったことがうかがえる。
圏央道の相模原ICから高尾山ICの区間は本沢ダムを忌避するように迂回している

次は昭和4年参謀本部2万5千分の1地形図「與瀬」Stanford Digital Repository から一部。当時は国道8号、昭和8年大改修の前。
大垂水峠は「大ダルミ」という少し間の抜けた、たるんだ注記。その西側の千木良村内のルートは現在の国道20号と異なる

甲州街道旧道

この旧道は現在の地理院地形図にもかろうじて記載されているが、その現状は

甲州街道の廃道

通行止の立て看板がなければただのヤブ、昭和初期に自動車が走っていたとはとても思えない立派な廃道。
むかしは笹子峠とならんで甲州街道の難所だったことだろうと思う。

昭和の終わり頃、大垂水峠はクルマやバイクなど「走り屋」の聖地として有名だったのでその名は聞いていた。
千木良から八王子に向け初めて走ってみたが、とくに何の変哲もない峠道という印象。東京の幹線道路で唯一の峠道だったからという程度なのかもしれない。地方にはザラにあるような道 (80年代に聖高原を攻めクラッシュしたことがある私が石を投げる)

相模川左岸を右岸から見る。リニア中央新幹線の第二首都圏トンネルの西坑口は段丘崖のどてっ腹に開いて相模川橋梁に続く。
リニアが品川の地下駅を出て最初に地上に出るのがここ、撮り鉄のスポットとなるかどうかは分からない

相模川左岸

次は右岸。奥の上流に小倉橋と新小倉橋。白いアーチが美しい小倉橋は昭和13年竣工の土木学会選奨土木遺産

相模川右岸

交通の要所というのは動線が集中する。それはおもに地形に由来するものなのだろうと思う。しかも経済の要請に応え最短距離を取ろうとすれば選択肢はおのずと狭まるものなのだろうとも思う。新幹線と在来線と高速道路が接近している要所は国内に少なくない。

リニアの工事は想像していたより進捗していなかった。開業は2031年になるという見通しが公表されているが、10年以上はかかるだろう。安全に施工していただきたいものだ。
しかし橋脚の基礎はどのくらい深いのだろう? 相模川橋梁の西は県道511号を架道橋で跨ぐようなので、免震構造の橋桁と線路面は河床から相応に高くなるのだろう。

昼食は尾張屋 (相模原市緑区久保沢1—10—8) で天ざる蕎麦を美味しくいただいた。ごちそうさまでした。
以下も参考までに