相模原市の古淵鵜野森公園、境川の右岸に関東ローム層が露出しているところ。ロープが張られ接近できない
現地の説明板。相模野第1スコリア層、姶良 Tn 火山灰層、箱根東京軽石層が観察できると
北向き段丘崖で鬱蒼とした森の中は薄暗く、写真を撮るには厳しい環境。レンズを交換してズームのうえコントラストなどレタッチした。黄褐色の姶良が分かる気がする
河道が付け替えられる前は攻撃部だったから顕われたのだろう
上のマップには境川と鶴見川水系の分水界をざっくり描いた。尾根緑道 (いわゆる戦車道路) 以外は台地面でトレースがきわめて困難。
東京都環境局 によると町田市の湧水地点数は8となっている。
町田市本町田1830番地1に所在する滝の沢源流公園は鶴見川支流恩田川の源流のひとつ。水が滔々と湧き出していた
地理院の「自分で作る色別標高図」で見る (十字カーソルの位置が当該湧水)
ふつうは地表に降った雨などが地下に浸透し時間をかけて出てくるのだろうが、都市化が進んで建物やアスファルトの被覆率は高いだろうから湧出量は漸次減少しているはず (現在では雨を地下へ戻す礫層の厚い透水性舗装も普及しているようだが)。
恩田川左岸や鶴見川幹川の丘陵地帯に湧水は少ない。忠生公園、滝の沢源流公園、本町田清水児童遊園、芹ヶ谷公園の4つの湧水は境川との分水界に近い相模原台地面の凹地という共通点がある。台地の地下に帯水層があるのかなぁ? それとも相対的に標高が高い境川の河床での伏没もありうるのかなぁ? よく分からん。
相模野台地の地下水については,辻本 (1937),吉村 (1943) の先駆的な研究があり,相模原市地形・地質調査会 (1985),相模原市総務局総務課市史編さん室 (2009) に概説されている...
相模野台地の地下水は,上総層群,中津層群,依知層を不透水層とし,それらを覆う段丘堆積物を帯水層とする本水と,ローム層を帯水層とする宙水に分けられる.本水の地下水面は,段丘面と調和的である.すなわち,段丘面を覆うローム層の層厚に規制されて,相模原面では地表から20 m 程度下にある
『八王子地域の地質』第9章 (産総研地質調査総合センター, 植木岳雪)
「この水は飲めません」そりゃそうだ
大腸菌マンに可愛げがある。
久しぶりに Sernageomin のホームページを見たら『チリのジオサイト』という本を昨年発刊したようで Web Book や PDF でも閲覧できるようになっていた。美しい写真を豊富に使ってある。表紙は南部の Cerro Castillo
Sernageomin とは Servicio Nacional de Geología y Minería つまりチリ地質鉱山局で、火山の監視もつかさどっている。
北の砂漠地帯から南はパタゴニア、アンデスの火山やイースター島のクレーターまで網羅しており、巻末に参考文献と用語集もある。
チリは銅などの鉱物が国富の源だけあって地学への傾倒も強いだろう。日本は資源がないから地学の人気もないが。
なお PDF (リンク先「Descargar Libro」のボタン、13.6MB) で見るのが良いと思う。スペイン語のテキストをコピペして DeepL などで翻訳すれば、おおよそ理解できるので
Santa Lucía の丘に柱状節理なんかあったっけ? (チリに暮らした3年間ずっと酔っぱらっていた疑いがある)