2018年4月に「新横浜公園の遊水地と鶴見川の治水」という記事を書いた。
その続き、鶴見川右支の恩田川で遊水地の整備が始まった。神奈川県によるパース
貯留量は約10万立方メートルとのこと (熱海伊豆山で崩落したとされる土砂の量にほぼ等しい)。時間雨量 60 mm というのは昨今ではざらにあるから、相応の量をプールできるのは心強い。
次は県の横浜川崎治水事務所による図面 (案)。横浜市内には学童専用の野球場がきわめて少ないので貴重、両翼 70 m は取れそう (三塁側とレフト側に防球ネットの設置も必要になるだろう) (ただし本来機能を発揮したら排水から1、2週間は使用できないだろう)
堤体天端は標高 17.74 m で計画高水位は 16.74 m となっているので越流堤は 1.0 m 低いということだろうか
多目的原っぱ、中央を 30 cm 高くして緩勾配とし平時の排水を考慮されている。
現場は横浜市緑区小山町
60年代の航空写真を見ると恩田川は好き勝手に蛇行している。それなりに暴れていたのだろう。
町田市本町田から木曽町にかけての源流域、こどもの国や玉川学園周辺、東名の横浜町田IC付近なども恩田川の集水域なので、新横浜遊水地の負荷を軽減する効果も小さくないと思う。また地名駅名で勘違いしやすいが青葉台は谷であり、その周辺に降る雨も恩田川に注ぐ。
次の写真は遊水地となる北端側
次は南側の恩田川。右岸も護岸工事中
遊水地の底は標高 12 m あまりの設計だから数メートルは掘り下げるのだろうが、谷底平野の堆積物ないしローム層だろうから掘削は容易かなと想像していた。だが恩田川の河床には岩が露出しているところもあった。砂岩か泥岩かなぁ?
もっとも下流 (東) 側は先行して水路ができていた。周辺の農業への配慮だろう。この写真の右側がガッポリ掘られる
道路や橋梁といった目立ちやすい工事と違って治水のための土木というのは地味。
これらの遊水地によって直接の恩恵を享受するのは下流域の港北区と鶴見区および川崎市幸区だが、水害が抑止されることで上流域に住む私なども間接的に恩恵を享受することになるのだから結果的に Win - Win だと思う (オトナの思考方法)。
令和14年度の完成を目指して工事を進めているとのことなので、年に一度くらいは進捗を見に行こうと思う。
8年後ということは私が64歳になっているはずだが、この時間軸は「すぐ」という感覚がある。