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信濃川水系のダム

公開日: 2019年10月16日

利根川には八木沢ダム、奈良俣ダム、下久保ダム、八ッ場ダムなど。
荒川には二瀬ダム、滝沢ダム、浦山ダムなど。
相模川には相模ダム、城山ダム、宮ヶ瀬ダムなど。
それぞれ上流に洪水調節を目的とする大きなダムがある。
信濃川水系のダムを示してみる。青は洪水調節の機能を有しているダム、赤はその他の目的。

大きな被害が出た千曲川、上流域に洪水調節を目的としたダムがあるにはるが、いずれも小規模なもの。
中流域に渡良瀬のような遊水地を設けるなどの施策が必要なのかも?

台風19号が襲い掛かったあと、頭の中で疑問が残っている。大きく分けて2つ。
まず、前の記事で書いたが「箱根で観測史上1位の降水量を記録した」という点。
全国のアメダス観測施設の概要を気象庁は公表している。しかし精緻な位置を詳らかにはしていない。それはもっともなことだ。無人の山中に設置しているアメダス機器の位置を公表すると、悪戯されかねない。
設置環境は均一じゃない。おおむね17kmの間隔で設置されるが、標高や地形や斜面の方向など様々な差異がある。

全国1300箇所以上にアメダスは設置されている(一覧マップ)が、「箱根」は標高855mという点が特異だ(駒ヶ岳の東面「芦ノ湯」に位置し、雨量計のみで温度や日照などは観測していない)。
芦ノ湖は標高725m、箱根町の役場がある湯本は、せいぜい標高100mに過ぎない。
今回の台風で、メディアは、ある意味この「スキャンダラスな」客観的データ数値を好んで報道した。「年間降水量の〇分の1を記録した」などと、インパクトの強い表現で用いた。
だが、箱根町で死者が出ることはなかった。

もうひとつの疑問。
今回は中央メディアの「当事者感覚」に引きずられ、世間の耳目は首都圏に集中した(ように感じる)。
私は神奈川なので、NHKを見ていても「全国のニュース」と「首都圏のニュース」の切り替えが分かりにくく、各地方のニュースでどれだけ地域に特化した注意喚起がなされたのか分からない。
一般には、台風の進路予想に焦点が当たり、台風の目の東側が特に警戒される。
あの予報で、長野や東北の人々は、どのくらい危険を感じただろう?
台風にせよ地震にせよ、毎回毎度コンディションが同じなわけがない。自然災害というものは、常に定型に収まるものじゃないと思う。
報道は、毎回毎度「テンプレ書き換え上書き」みたいなことを繰り返していないだろうか?「狩野川台風並み」などの表現に「従前通り定型の報道の文法」というバイアスが掛かっているような気がする。
私たち一般の国民は、客観的データと思わされるものを安易に鵜呑みにしてはならないし、同時に、情報を取捨選択する眼力や、危険を察知し回避する智恵も、要求されるのかもしれない。

ついでに、東京で被害は多摩川周辺に局限されたものの、おもな原因は暗渠(または埋設構造)に由来したようだ。
直接に視認できない、危険の認識が出来ない、というのが都市の暗渠の致命的弱点・盲点なのだろう。
※こちらも参照を: 多摩川の堤防決壊、千曲川の巨大な天然ダムダム一覧マップ