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横浜地方気象台と猛暑の記録

公開日: 2024年10月1日

横浜地方気象台は明治29 (1896) 年8月1日に神奈川県測候所として山下公園付近に設立されたものの大正12 (1923) 年の関東地震により被災、現在の山手町99番地 (震災時は米海軍病院だった一角) に再建され昭和2 (1927) 年11月1日に業務を開始したとのこと。
9月24日に寄ってみたら「一般見学開館中」と掲示されていたので敷地内に入ってみた

横浜地方気象台の入口

次は露場 (立入厳禁) をズームして撮った写真。中央奥の丸いのが雨量計、その標高は公表で 39 m とのこと。
その手前、地面より 1 m 以上高いところに固定されている通風筒の中に温度・湿度計かな。昔は百葉箱が置かれていたのだろう

横浜地方気象台の露場と雨量計など

1974年11月1日に運用を開始した地域気象観測システム (AMeDAS: Automated Meteorological Data Acquisition System) は当初 908 地点で始まったようだ (現在は 1,286 地点)。今年度末には 相対湿度の観測地点 が日本全国で 692 地点に増えるはず。
横浜地方気象台はアメダス No.46106。庁舎の屋上に風向風速計、公表の高さは 19.8 m。その右下は日照計。デコイらしきも

横浜地方気象台の風速風力計

これら観測機器については 地上気象観測の概要 (気象庁高層気象台) に詳しい。槍みたいなのは避雷針かな?
この庁舎の地下に地震計が据え付けられているらしい。敷地内にはソメイヨシノの標本木 (開花宣言の判断基準となるサクラ) もある。
庁舎内に入っても良いように書かれていたが、オッサンという原罪を背負っているので遠慮した。

各機器の最新観測データを次のようにわずかのディレイで平易な javascript により受け取ることができるのだから便利

海食崖の高台で良い環境にある。ここの観測値よりも真夏の関内や横浜駅周辺のビル街はもう少し暑いのではなかろうか?
私の住まいはここから十数キロ離れているので、横浜と府中を足して2で割る感じで値を見ている。
(気象庁に限らず都道府県や市町村が独自に計測しているものもある。河川の水量監視は国交省などであって所管はちがう)

今年の猛暑まとめ、アメダス横浜の7月から9月の気温記録をメモ

2024年夏の気温

来年以降のために覚え書き

40年前と較べると露骨に差がある。1984年はバブル期、私が通っていた福岡県立高校にエアコンなど設置されていなかった (暑い日は下敷きでパタパタ)。1980~83年は冷夏だったらしい (覚えてない)。1993年は記録的な冷夏だったらしい (日本にいなかったので知らない)。
今の小中学生にとっては猛暑がデフォルトで、過去の天候を知る中高年のほうがダメージは大きいかもしれない。

ことし福岡県太宰府市は猛暑日が60日を超え国内最多記録を更新した。太宰府地域気象観測所 (四要素) をストリートビューで見ると、露場は天然の芝生ではなく南・北・西隣がアスファルト道路という市街地にある。設置の環境が良くないように思うが、しかし人の生活環境と皮膚感覚に近いともいえる。都市では露場の適地を見つけるのもむずかしいに違いない。国有地だとなおさら、地方公共団体などの土地に間借りしているとおぼしき観測所も少なくない。次は気象業務法 (昭和27年法律第165号) から、露場に立ち入ってはならぬ理由

第三十七条 何人も、正当な理由がないのに、気象庁若しくは第六条第一項若しくは第二項の規定により技術上の基準に従つてしなければならない気象の観測を行う者が屋外に設置する気象測器又は気象、地象(地震にあつては、地震動に限る。)、津波、高潮、波浪若しくは洪水についての警報の標識を壊し、移し、その他これらの気象測器又は標識の効用を害する行為をしてはならない。
第四十四条 第三十七条の規定に違反したときは、その違反行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

おまけ、次は気象台のすぐ近く「港の見える丘公園」の展望台から。赤い二本線のファンネルは氷川丸、その奥の大さん橋にオレンジのファンネルにっぽん丸、さらに巨大なXが目立つセレブリティ・ミレニアム。遠くの円筒形は新横浜プリンス (直線距離 8.34 km)

港の見える丘公園の展望台から見る横浜港

公園内にある愛の母子像

愛の母子像の由来など説明

神奈川県 (PDF) によると、米軍機は県内で62件もの墜落事故を起こした。決して再発させてはならない

像の説明

石破茂氏は安全保障に詳しいが、日米同盟はどうなるだろうか?
かつて議員会館の氏の部屋で話したことがあるけれど、良い意味で普通の人という印象だった。

吉田新田など横浜の埋め立て地について」および「横浜港大さん橋国際客船ターミナルとその周辺」もどうぞ。