はこね金太郎ラインを走ってみた

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公開日:2021-04-28 更新日:2021-04-29

神奈川県道731号(矢倉沢仙石原、愛称=はこね金太郎ライン)が本日10時、開通した。南足柄市の矢倉沢から箱根町の仙石原まで約 10.9 km、林道から格上げ(なお足柄峠から金時山 962 m 標高点に至る従来の731号が降格になるわけではなさそう)。

起点から終点まで

矢倉沢の県道78号と交差する起点は標高 350 m あまり。県道たる法的要件を満たすためだろう新たに切土で法面を養生し、盛土も併せ勾配が緩和されていた。「金太郎の遊び石」や「夕日の滝」へ下る黒白林道の分岐点までは、由緒ある矢倉沢往還とほぼ重複する。アップダウンの連続(歴史の香りはしない)。

はこね金太郎ライン

その分岐から 150m ほど南、2年前の台風19号により土石流が発生した場所に横断暗渠が施工されている。砂防堰堤はこれから施工されるようだが、大雨のときは要注意の箇所。
次は当該箇所(復路)の映像。

さらに断層の東側、地すべり地形を南下するが、法面崩落箇所の法枠工や新たな落石防護網工など、あちこちに安全対策がほどこされていた。開通が1年延びたのもわかる。むしろよく1年で開通にこぎつけたと思う。

写真1-1 落石防護網工:

落石防護網工

写真1-2 法枠工:

法枠工

次のマップにルートと地すべり地形分布図を示す。

狩川左岸をうねうね登り続けたのち、側火山である金時山の南東稜を穿つ金時隧道に着く。標高は 860 m ほど、立派な「金時見晴パーキング」が整備されている。

写真2-1 金時隧道の南足柄側:

金時隧道の南足柄側

登ってきた狩川の源流部(カルデラの裾)は、こんな感じ。好天なら爽快かもしれない。

写真2-2 狩川の源流部:

狩川の源流部

南へ矢倉沢峠への小径がある。そのまま峠まで明かりで道路を施工できそうな地形だが、トンネルを掘らざるを得ない何かしらの理由がカルデラ内側にあったのだろうか? あったのだろう。

写真2-3 矢倉沢峠を望む:

矢倉沢峠を望む

新たに LED 照明が設置された金時隧道(333 m)を抜け、カルデラの内側に入ると展望が開けるわけではない。樹林の隙間から仙石原がどうにか見える。あそこに見えるのが私の別荘ですよ、などとうそぶく人生を送りたかった

写真3 金時隧道の箱根側:

金時隧道の箱根側

国道138号と交差する箱根側の終点は標高約 700 m、拡幅とともに線形改良されている。信号機は設けられていない。

いまどきらしく、両自治体のキャラが随所に掲げられている。

県道731号キャラ

金太郎のマサカリを模した距離標(キロポスト)が設置されている。
私の親指先から小指先までの手尺は 23 cm なので、これは刃渡り 15 cm ほど。1km おきの標識は、もっと大きい。
私が長年にわたって支払ってきた県民税がこれに化けたと思えば、えも言われぬ感慨が残る(納税の終点は見えない)。

県道731号キロポスト

2014年に「南箱道路」を書いてから7年。県西の利便性が向上した。
ただし、センターラインがあるのは始点・終点付近と急カーブ等の危険個所だけ。おおむね狭隘な道なので、乗車定員11名以上の乗用自動車と、最大積載量3トン以上の貨物自動車は通行できない(とはいえ県道70号ヤビツ峠越えよりは走りやすい)。
写真を撮りながらのんびり運転しても約30分で走り抜けられたが、サイクリストも数多い。自動車も自転車も、低速で運転しないと(とくに Out-in-out するバイクは)危ない。恣意的で独善的な政治判断に隷従することは拒んでも、交通法規は順守しましょう。
なお神奈川県によると、昨年度は南足柄市も箱根町もツキノワグマの目撃情報があったとのこと。クマさんには隷従しましょう。

道の駅「足柄・金太郎のふるさと」に寄って大井松田ICから横浜へ帰った。小田原も御殿場も通過しない箱根は、早かった。
こちらも参照=「金時山に登る」および「矢倉沢往還