木が生育できなくなる標高を「森林限界」と言うが、本州中部の北アルプスの場合は、およそ2,500メートルであると大学の時に覚えた。
登山すれば、ダケカンバやナナカマドといった樹林帯を越えるとハイマツだらけとなる。一般に、その閾値の目安でもある。
アナログな登山歴のある人ならば、磁北線はじめ目安の等高線などを地形図に引くといった作業をした経験があるはず。
あらためて(乗鞍と御嶽を除く)北アルプスの2,500m等高線をトレースしてみたら、違った発見が(薬師岳の山体がいかに大きいか、とか)あった。
近年のように温暖化による高温が継続すれば、この森林限界は上昇すると考えるのが妥当と思う。むろん地質や方角などさまざまな要因にも左右されるだろうが、3,000m近くまで這松が植生したりイワカガミが咲いたりするかも知れない。オコジョやサルが高くまで登るようになって、ライチョウが再び絶滅を危惧されるようになるかも知れない。