大山街道は赤坂から三軒茶屋、二子、溝の口、荏田、長津田、下鶴間などを経た由緒ある参詣の街道。
現代のルートである国道246号を車で走って8年ぶりに伊勢原市の大山を訪れた (雨乞いではない)。
大山ケーブル駅そばの元滝堰堤は重力式コンクリート造で堤長 25 m、堤高 4.3 m。
大正12年の関東大震災で山が荒れ土砂災害が多く発生したため1930 (昭和5) 年に竣工、登録有形文化財。水通し両端の丸みが特徴
近隣の八段堰堤と袋町堰堤も登録有形文化財だが、立入禁止区域のようだ
関東地震によるこの鈴川流域の被害については、いさぼうネットのコラム『歴史的大規模土砂災害地点を歩く』にある「大山阿夫利神社周辺の関東地震(1923)による土砂災害地点を歩く」に詳しい。
ついでに横浜測候所による大正12年の横浜火災図
「調査不能」や「発表禁示」に当時の事態の重さがうかがえる。吉田新田がほぼ全滅。
さて、ケーブルカーに乗って阿夫利神社下社へ。相模湾、江ノ島や三浦半島、南房総を遠望
青年期とは、いつか来た道。
老年期とは、いつか往く道。
Stairway to Heaven といったふぜい
ガッカリすること必至なので私は今の丹沢で登山はしない。
大山は別名が雨降山 (あふりやま)、相模湾から南寄りの風が当たって雨を降らせるのだろう。
台湾からと思われる観光客が多い気がしたが、妻氏によるとベトナム語も聞こえたとのこと。
伊勢原市内の県道603号に「温泉入口」という交差点がある。実際この西側 (伊勢原大山ICの北側) には産総研のデータで5件の鉱泉があるが、営業している施設はないようだ。鶴巻温泉と七沢温泉の中間にあたる。
温泉地学研究所「伊勢原付近の地質と地下水」(PDF, 大木他, 1970) によると昭和41年に鶴巻で温泉が発見され、伊勢原町にも期待されないだろうかということで調査が計画されたらしい。また「丹沢山地の地下水のpHが高くなる理由については...丹沢層群の変成鉱物である沸石類との化学反応によるものである」ともある。だが「水文科学が解き明かす不思議な天然水」(PDF, 板寺, 2012) では「高アルカリの原因については,この地域に広く分布するCa沸石の溶解によるものではなく,Ca沸石が形成される過程で,地下水のpHが上昇したものと考えられている」と、知見はあらたまったようだ。
「温泉の科学」によると、肌がツルツルになるためは高アルカリ性であるだけでなく、以下の要素も必要らしい
七沢の元湯玉川館で立ち寄り湯 (pH 10.1 の強アルカリ性) を浴びて帰ったのだが、この温泉のことは2年前に書いた。
もはやヒートショックが他人事ではないお年頃なので、昼間から風呂に入るのは良いことだ (自己正当化)
元湯玉川館の駐車場は満杯だった。中高年の考えることは皆おんなじだ。ホスピタリティに優れた旅館だし。
産総研地熱情報データベースによる pH 8.5 以上のアルカリ性泉を上記のマップにプロットした (全国の 温泉マップ から抽出)。
国道246号のバイパスである厚木秦野道路が一部で事業中。その鈴川橋、左 (西側) に伊勢原第一トンネルが掘削される予定だが
開通まで10年20年かかるだろうか? 東名と新東名にリンクし交通量を分散させる効果も大きいだろうと思う。
上記のマップに 国土数値情報都市計画決定情報データ による厚木秦野道路も描画した。詳しくは 国交省関東地整横浜国道事務所 を。
おまけ
掲示位置が8年前とは変わっていた。クマさんだから動くんだねぇ。
この画像から次のようにアイコンを作った。上がSVG、下がPNG (240 px 透過)、ご自由にお使いください
なんなら優れた書体の文字も
ヒマなことだ