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大分川水系の分水界を地図にえがく

公開: 2024年01月07日
更新: 2024年01月18日

大分県には大分川、山国川、大野川や番匠川といった一級水系がある。位置関係を確認するため、ざっくりトレース

マップ概観

その水系、国土交通省 によると幹川の流路延長は 55 km、流域面積は約 650 km² とのこと。
南は大野川、西は筑後川の流域と隣接。
鶴見伽藍、九重山といった火山があるので線を引くのがむずかしいところもあった

この水系のおもな災害は

同時に、たびたび水不足に悩まされ渇水も起きるとのこと。

2020年7月豪雨で湯平温泉は被災した。由布市の報告書「湯平地域 災害の記憶と復興」(PDF) によると昭和4年、11年、25年、平成17年にも大雨によって花合野川が暴れ害を被っている

湯平周辺の地質は大規模な熱水変質帯となっており,地山内のせん断強度が小さく,風化侵食により粘性化しやすい。また,地下水が湯平地区に供給されやすい地形の特徴がある

地図で見ると顕著な地すべり地形になっている。
さらに大切な指摘

川沿いの住民と上の方に住む住民とでは防災意識が違う

これは全国どこでも同じだろうと思う。

由布市西部、崩平山 (くえのひらやま、くえんひらやま) 正断層の東側は岩屑なだれ堆積物に覆われているので侵食にも弱いのだろう。遠い将来、小田の池は水が抜かれそうだ。立石池ともども、マールに起因するとか断層湖だとか文献により相違があるみたい。

日本地下水学会によると、大分市平野部の地下には若干の天然ガスが胚胎していて水質は一般に良質ではないそうだ。

大分県は温泉の源泉総数とトンネルの数が日本一。だがこの流域にトンネルは多くない (県北部と比べると相対的に)。
またこの流域から「つなぐ棚田遺産」に2件が選ばれている。ななせダムは新しいので色別標高図と傾斜量図がまだ更新されていない。

由布院の盆地

明治36年測図昭和2年修正の参謀本部5万図「別府」から一部、Stanford Digital Repository

5万図、別府から一部

昭和2年で鉱泉記号が記載されている源泉は歴史も古いということになるが、湯は年々歳々変化するものだろうし、古ければ良いというものでもないと思う。個人の嗜好や環境、水が合うかどうかのハナシであって、温泉法の要件うんぬんでもないだろう。
現在の地形図は温泉記号が湯水のようにある。ボーリング技術の進化の賜物か。この盆地について日本地下水学会 (PDF, 非SSL) によると

熱水の湧出孔は,1982年10月現在,約860孔あり,その 55 % は深度 150 m 以下の比較的浅いものである

大分県によると、県内で湧出する温泉の 84 % が高温泉とのこと (PDF)
湯布院の場合「盆地の南縁をほぼ東西に走る由布院断層に沿って分布する石松水系が最も高温で水頭が高」いとある。色と傾斜量で見てもリニアメントは露骨、熊本と大分はたいてい WSW から ENE かな。

おぼえがき
冷鉱泉は25 °C 未満
低温泉は25 °C 以上 34 °C 未満
温泉は 34 °C 以上 42 °C 未満
高温泉は 42 °C 以上

国道210号が通る前は、水分峠から温泉までの道のりが長かったのだろうなあ。
かつてブラタモリ由布院の回で大湯線 (現在の久大本線) が大回りしていることに触れていたが、たとえ「みずわけ」から上津々良へ短絡したとしても、2,000 m あまりの水平距離に対し標高差が 150 m 近くあるから勾配がキツすぎて無理だったのではなかろうか。ループという手もあるけれど。

高校生のとき久住連山に登った (というより学校行事で登らされた) が、ガスっていたので何の記憶も残っていない。
大分自動車道建設のための地質ボーリングのアルバイトで湯布院にも行ったのだが、具体的な位置をちっとも思い出せない。
この高速道路は鉄道と異なり大分市に向かわず日出で東九州道と接続する。なぜだろう? 空港へのアクセスを優先したのだろうか?

熊本の黒川や涌蓋の温泉は九重火山が熱源なのだろうが、こちら東麓には長湯温泉がある。同じく大分県によると

九重火山群の標高の高い地域で降った雨水が地下深部まで浸透したものであり、この水が高温下で周辺の岩石と長時間反応して塩化物イオン濃度が高い熱水となり、二酸化炭素ガス及び浅層地下水と混合して生成されたものと推定されています

九重と久住、湯布院と由布院、これら表記の揺れは是非の問題ではないと思う。大分に限らず、地方ではよくあることだ。
印刷物の原稿なら統一するところだが、ウェブなのであえて混在させた。神経質になることもあるまい。

ところで別府といえばアルゲリッチさん

この英雄ポロネーズ、5:30 を過ぎたあたりでニコッとチャーミングに笑うんですよね。それが作品に対するものなのか自身の演奏に対するものなのかは分からないけれど、心の揺れが表情に現れるのは興味深い。音楽家というのは、なべて感情を抑えがちだからなおさら。
1941年6月生まれのマルタさん、現代最高のピアニストの一人ですよねぇ。

以下も参照を

一級水系に指定されているのは全国で109、そのうち43の分水界をひいた。いずれ AI が全部作ってくれるようになるだろう。
天に星 地に花 人にAI (ボソッ)

最新記事: 位置情報 Geolocation API の実装 (2024年04月23日)
japonyol.net