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筑後川の流域と分水界を描く

公開日: 2021年9月11日

上空から見る筑後川と耳納山地、水縄断層

筑後川と水縄断層

2月に「九州のおもな分水界を描画する」の中で「筑後川の日田より上流域の広さが目立つはず」と書いた。
実際に分水界をざっくりトレースしてみた。福岡、大分と熊本の3県にまたがり(幹線)流路延長 143.0 km、流域面積約 2,860 km² で九州最大(河川法に規定される一級河川としての起点は田の原川の上流らしい)。水域は、やはり広い。陶芸で有名な福岡県 は河川争奪など特徴的な地形になっている。は試験湛水中でもうすぐ完成。

筑後川水系治水基本計画の一環として建設された がある。かつて蜂の巣城紛争があったところ。
子供のころ、この紛争のドキュメンタリー番組を私が見ていたら、今は亡き祖父が不愉快そうにチャンネルを変えたことがあった。不愉快の理由がダム建設なのか反対運動なのか、あるいはそれ以外なのか分からなかった。
川辺川ダムや石木ダムなど九州では根強い反対運動があった(ある)のは、蜂の巣城の記憶が強烈だったのではないかと思っている。

日田の盆地は多数の中小河川が集中する求心状河系、夜明ダムは発電用で洪水調節を目的としていない。狭窄部は岩床が露わ、筑後平野に出ると氾濫しやすい。
日田の年間降水量は 1876.3 mm で特に多いわけでもないが、怖いのは短時間の集中豪雨のケースなのだろう。

自分は◎◎県に住んでいる、という帰属意識は強いものだが、たとえば福岡県の久留米周辺に住んでいて普段から上流の大分県や熊本県の降雨にも注意するかというと、それは他人事でむずかしい気がする。かくいう私も遠賀川左支の出身だし今は鶴見川流域に住んでいるので、そういう大局的な視点に欠ける。