航空レーザー測量成果、国土地理院の 1 m メッシュ (標高、DEM1A) から安倍川の源流部、周囲は大規模な崩壊地だらけというエリアなのだけれど
標高 1,200 m を超えるような高所で、サカサ川はなんで屈曲蛇行しているのだろう? 奇特な地形だ。南アルプスは隆起を続けているはずだが、なぜここは下刻や崩壊から免れたのだろう?
等高線を読むと、標高約 1,130 m 付近の滝 (鯉ヶ滝というらしい) の上部に遷急点 (Knickpoint) があるから、その上流 (河床勾配が緩慢) は下刻が進んでいないということか? さらに鯉ヶ滝の下流にある安倍の大滝もまた遷急点だから、二重に下刻を阻んだのだろうか?
サカサ川の源頭部は風隙になっている。浸食の早かった富士川右支の大城川に争奪されたもののようだが。
ここから北へ約 9 km ほどに七面山西面の崩壊地があるが、こちらも遷急点の有無で結果がことなっている (遷急点があれば崩壊しない、という意味でもないだろうが)。
なお地質図で見ると、このエリアは泥岩と砂岩の互層が支配的だけれども、滝の周辺は玄武岩と出る。地質による硬軟のあんばいは私にはよく分からないが、河床の勾配の変化には何かしらの理由があるはずだとは思う。
こうした些細なことに気づかせてくれるだけでも、DEMはもとより色別標高図や傾斜量図は意義深いと思う (答えは分からないが)。
大谷崩に隣接する梅ヶ島温泉の上流域 (八紘嶺沢など) も崩壊リスクは高いのだろう。なお日影沢などに金鉱山の跡が散在するようだ。
参考: 南部地域の地質 (産総研地質調査総合センター、杉山・松田、2014).
「河川侵食で後退する滝」も参照を。
トシをとると変化を恐れる。既成の思考が覆されることが怖くなる。日常のルーティンが否定されるのはイヤだと思うようになる。
しかし、時代は変わる。昔の考え方は通用しなくなる。柔軟な対応力を要求されるようになる。若い人の考え方に耳を傾ける必要に迫られる。場合によっては子供から諫められることもあるし、昔話をするのは悪手でしかない。
身体は衰えてもアタマは時代に追随したいものだが、なかなか容易でない (クソジジイとして突き抜けるパターンもある)。