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手取川の流域と分水界を描く

公開日: 2021年9月26日

明治43年測図昭和5年要部修正5万図「白峯」内務省 Stanford Digital Repository の一部。手取川ダムと大日川ダムができる前。

昭和5年手取川周辺

手取川は白山が源流、流域面積約 809 km²。平均河床勾配は 1/27 で日本有数の急流。
分水界をざっくりトレースして流域を可視化してみると、ホイップクリームの絞り袋みたい。甚之助谷や別当谷など上流部が脆い地質で地滑りも多く、土砂の供給が盛んだが、すべて鶴来に流下するので大きな扇状地を形成している。営農が困難なので七ヶ用水がある。

は洪水調節・農地防災、灌漑・特定(新規)灌漑用水、発電という多目的。
は洪水調節・農地防災、上水道用水、工業用水道用水、発電。
流域には他に5つのダムがあるが、いずれも発電用。温泉も多い。

こまかいことはすでに「石川県白山市、手取川の上中流域」で書いた。
この地域に限らず北アや南ア等でも、崩壊は常態のうちだと思う。
土砂を大量に供給するわりに河口で特段の突出(三角州)がないのは、対馬海流の速さ強さを示唆していると考えてよいのだろうか。

以下も参照を

余談、私の知る限り、日本の最高学府は諏訪東京理科大学の 880 m だと思う。
国立では信州大学農学部の 773 m が最高でまちがいない。
東大の赤門など 23.9 m でレベルが低い(above sea)