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北海道の温泉

公開: 2021-02-15, 更新: 2023-02-22

前回『大分と熊本の温泉』で「北海道は多くなるはず」と書いたのだが、北海道に記載される地図記号「温泉」を実際に収集してみた。
環境省の資料「平成30年度温泉利用状況」によると、北海道は源泉総数が 2,173 件(大分、鹿児島、静岡に次いで全国4位)、うち利用中の自噴源泉は 424(大分に次いで2位)となっている。
目を皿のようにして探した結果、約470件。ただし緯度が高いため、私の EIZO 23.8 型ワイドモニタの全画面表示でも見落としている可能性がある(意味をお分かりいただけるだろうか? ズームレベル14で現れる記号は少数で、15でなければ見えない)。それでも 95 %以上は拾い上げたと思う。

温泉の地図記号は「自然地理の要素」だろう......という推測も前回書いたのだが、北海道では、道の駅に温泉マークが多かった。もともと源泉のあるところに建設したのか、それとも建設にあたって掘ったのか? 道の駅は国土交通省の肝煎り事業だが、国土地理院は国交省の傘下に位置する特別の機関だから、温泉記号は「行政の要素」でもある、ということだろうか?

北海道の温泉分布

やはり火山の近くに多いが、厚い火砕流台地には乏しい(阿寒も)。宗谷、留萌、オホーツクや日高は、しかたない。十勝平野には意外に温泉がある。倶多楽の恩恵を受けている POI のように、海岸線に近いところでも温泉は多い。

POI を大正9年測図5万図「ニペソツ山」で見ると、ユウンナイ温泉というのがダムに水没したようだ。

内務省「ニペソツ山」の一部、Stanford Digital Repository

さらに、この時代の符号には「温泉」という概念がなく「湧泉」と「礦泉」に分かれている。すると、のちに記号が「温泉」となって冷泉が割を食ったかもしれない(詳しい経緯までマニアックに調べるつもりはないけれど)。

内務省「ニペソツ山」の符号、Stanford Digital Repository

私は当別と斜里しか訪れたことがないので北海道の地理勘に乏しいのだが、北海道をくまなく辿ったら市町村名をかなり覚えてしまった(問題は、すぐ忘れてしまうということだ)。
「ペンケ」音や「パンケ」音の地名が多いことにも気づいた。谷筋を注視したせいだろう。

関係ないが、北海道銘菓「雪花青」を、娘氏がまちがえて「青白い恋人」と呼んだ(気持ちは分からんでもない)。

追記:全国ひとまとめにしました。地形図の温泉記号一覧マップ

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