雄物川水系の分水界と流域

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published: 2022-02-16, updated: 2022-02-16 by Campo Salado

大正5年測図昭和15年修正参謀本部5万図「田澤湖」Stanford Digital Repository から。
玉川から田沢湖への導水路が暗渠と開渠で記されている。しかし他の水路はまだ記されていない。

田沢湖地図

雄物川の分水界の線をおおらかに引いてみた。水色はアメダス、黄色はダム、赤色は地形図の温泉記号。
なお雄物川の源流は大仙山、流路延長は 133 km、流域面積は 4,710 km² となっている。
支川である成瀬川の左岸に大きな地すべり地帯がある。
羽後町は分水界で二分されるが、その東西で河床の標高がまったく異なっていておもしろい。

もともと田沢湖の湖水は POI 潟尻 から流出していた。
1940(昭和15)年1月、玉川疏水国営開墾事業と電源開発のため、強酸性の玉川の水が田沢湖に導水された。冒頭の古い地図には、先達川からの導水路と生保内発電所はまだ記載されていない。湖から潟尻川も流出する描画になっている。
『土木建築工事画報』第16巻第7号(昭和15(1940)年7月発行)に「田澤湖利用の生保内發電所」(東北振興電力株式會社 萩原俊一)がある。

發電設備の規模に關しては時局柄具體的な説明は出来ぬが...
當社北部系統の季節的負荷變動に對應せしめると共に、湖より約20粁下流に在る2,500余町歩の國營開墾地に灌漑用水を供給...
湖より流出する潟尻川を塞ぐと共に湖水附近を流れて居る玉川及同支川の先達川の水を流入せしめる事とした

今なお現役で稼働している

土木建築工事画報より

強酸性の、いわゆる玉川毒水を薄めるため湖に流したので、当然ながら水質は大きく変わり、クニマスはじめ田沢湖の魚類が激減した。開戦前年の話なので、富国強兵が何より優先されていたであろうし漁業より稲作が優先されたのも、もっともなことと思われる。
なお先達川は、上流部に乳頭温泉郷、中流部に水沢温泉郷や田沢湖高原温泉郷そのさらに東側に活火山である秋田駒ヶ岳が存在するが、中性河川とのこと*。
また玉川や宝仙台といった集落が、玉川ダム(宝仙湖)に沈んでいる。田沢湖の水は未だ中和に戻すことが出来ていないらしい。

秋田県のコメ収穫量は新潟、北海道に次いで全国3位(都道府県別のコメ収穫量)。土地と品種の改良が続けられた成果だろうと思う。あきたこまち等の秋田のコメ、おいしいですよね。

*田沢湖へ流入する先達川水質の特徴(珍田尚俊、2006)

余談。去る月曜はサン・ヴァレンティンだったが、チョコを食べない私にとっては青色申告の号砲にすぎない。
カトリックで思慮深い妻氏からいただいたのは

バレンタインジャンボ

もし当たったら3月14日にお返しするという理解でよろしいか?

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