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最上川水系の分水界と流域

公開: 2022年02月13日, 更新: 2023年04月11日 by ちずぞう

明治34年測図昭和6年修正陸地測量部5万図「楯岡」Stanford Digital Repository から。
天童市、鵜澤山の南にある奇特な凹地ジャガラモガラ。

ジャガラモガラ

流域のマップ

最上川は延長が 229 km、流域面積は 7,040 km² で日本三大急流のひとつ。大正2年8月、昭和28年8月、昭和42年8月、昭和44年8月、昭和46年7月および昭和50年8月に大きな洪水が発生した記録がある。一昨年の7月にも左沢で氾濫していた。利水とともに治水事業もかなりある。水色マーカーはアメダス、多数ある黄色はダム、赤色は自然災害伝承碑。
軍沢岳から吾妻の東大巓まで中央分水嶺にあたる。河川法上の源流は とのこと。

は70年代の画像で見ると、穿入蛇行のおもしろいところに建設されている。両岸とも地すべり地形がたくさん。
川が極端に蛇行する村山市大淀地区に の建設が1年ほど前に事業化決定しており、令和11年度の完成を目指すようだ。
なお最上川に架かる4つの橋梁が土木遺産に選ばれている(白鷹町の山形鉄道最上川橋梁、朝日町の明鏡橋、大江町の最上橋と寒河江市のJR最上川橋梁=土木遺産一覧マップ)。

流域は鳥海、蔵王、吾妻や月山などの火山に包囲されている。馬蹄形をした葉山の爆裂火口が目立つ。
同じ火山でも白鷹山は崩壊カルデラ、溶岩ドームや岩屑なだれなど複雑なかたちをしている。
国土地理院「日本の典型地形について」では、最上町の向町盆地はカルデラとされている。隣の鬼首よりかなり古いらしい。山刀伐峠の周辺には金鉱があったようだ。

この分水界を越える峠は関山峠、板谷峠や大峠など大物ぞろい。
山形と秋田の境、難所の雄勝峠を抜ける真室川雄勝道路(E13)が事業中、赤い線をひいた。主要構造物はトンネル4つと橋梁2つ。

流域に暮らす人々は約 100 万人、山形県人口の約8割を占めるとのことだが、小国町は分水界の外で荒川の流域に属する。元は米沢藩らしいが、文化的には異質なのかもしれない。

※2022/08/04追記:線状降水帯の影響により流域で再び被害が出た。マップ中にも追記した。

これまで記載してきた分水界はすべて 日本の主要な分水界のマップ にまとめてある。

余談。
このサイトはドメインとサーバー合わせ年額 6,000 円あまりで運営している。それで好き勝手に文章を書く練習や地図の勉強が出来るのだからコスパは高い。ウェブの知識や技術も身につく。
しかし html という基礎的かつ汎用的なプロトコルで、いかにシンプルに可視化するか、いかに誰も怒らせないような書き方をするか。これだけは少しむずかしい(怒られたことはないが)

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