江の川水系の分水界

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published: 2022-02-09, updated: 2022-02-09 by Campo Salado

明治31年測図昭和7年修正参謀本部5万図「三次」Stanford Digital Repository から。
河川に沿って築堤されていたり、そうでなかったり。

三次

広島県といえば瀬戸内海に面した山陽というイメージがある。しかし、広島県の中央分水嶺 をトレースしたとき陰陽の境はずいぶん南側にあるということを私は初めて認識した。広島県の北部は、島根県江津市で日本海に注ぐ江の川(ごうのかわ)の上流域から中流域を占めているから、この意味では山陰だ。縁もゆかりもないと、分からないものだ。

流域のマップ

江の川は延長が 194 km、流域面積は 3,900 km² で中国地方最大の河川とのこと。洪水など災害も少なくない。次の地図に示した水色マーカーはアメダス、黄色はダム。赤色は自然災害伝承碑だが、これは市町村から国土地理院へ報告されるものなので、未報告の自治体は掲載されていないし、今後記載される可能性もある。トレースした南側の線が中央分水嶺にあたる。

江の川は、上流域で可愛川(えのかわ)と呼ばれるが下流では能無川(のうなしがわ)とも呼ばれるという。まるで私の人生のようだ。
その源流は POI 阿佐山 とのこと。三次盆地を経て反時計回りに流下していくが、河床勾配は中流域がもっとも急になっている。

地質は流紋岩が広く分布し、山間部は花崗岩が貫入している。風化した花崗岩に含まれる砂鉄を用い、流域の広い範囲でいわゆる「たたら」製鉄がおこなわれていたようだ。山陰の、ひいては中国地方の製鉄が盛んだったのは花崗岩のおかげともいえるのだろうが、しかしマサは災害時に怖かったりする。

色別標高図で世羅の周辺に突起があることに気づいたが、3つの明神山と呼ばれるらしい。広島県 によると、花崗岩に玄武岩漿が貫入噴出して形成された玄武岩丘とのこと。Volcanic Plug の従兄弟みたいなものか?

垰や乢などと書いて「たお」や「とう」と読む峠が多いのは中国地方ならではと思うが、素敵な特長だ。
三瓶山のカルデラ付近は、分水の線を引くのがやはりややこしい。爆裂火口の跡に温泉記号があって、そそられる。

余談。
小学校から大学まで、授業や講義の教材として当サイト内のコンテンツを利用していただいている(踏み絵かもしれないけれど構わない)が、これは同時に、リモートで苦慮されていることの証しでもあると思う。
2年前の今頃はこうも長引くとは予想できなかったし、収束の見通しも立たないという状況は、先生方や学生さんにとって辛いと思う。
せめてユーモアを交えポジティブなことを書きたいところだが、おやじギャグにも好不調の波がありまして(いま不調)

こちらも参照を=日本の主要な分水界のマップ

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