横浜市18区の水系はバラバラだが、臨海部を除いて行政界はおおむね分水界で辿ることができる。
さきに「境川水系の急坂」を書いたが、その続きというかメモ。
境川左岸の東京都町田市は武蔵国、右岸の神奈川県相模原市は相模国、横浜市瀬谷区からは分水嶺が武相 (相武) の国境
マップに示したポリゴンは行政区域データであって、ざっくりしたイメージとして分水界と旧国境をとらえていただきたい。
赤色の4区が境川左岸流域の旧相模国。
黄色で示した港南区は境川水系 (相模国) と大岡川水系 (武蔵国) に二分される。
Stanford Digital Repository の大正10 (1921) 年測図昭和6 (1931) 年修正2万5千図「戸塚」を見ると、当時の中区と鎌倉郡永野村の境界線が描かれている。これが元の国境だ。1936年に永野村を中区に編入、1943年に中区から分離して南区が誕生、さらに1969年に南区から分離して港南区が誕生している。
現在の南区と金沢区のごく一部も、もともと相模国鎌倉郡。金沢区は磯子区から分区。
現在の横浜市の人口377万人のうち、およそ78万人は相模住民ということになる。神奈川県民922万人のうち、武蔵住民は川崎市を含め約450万人ということになる。
次は広く一般にイメージされている横浜
次は私が暮らす横浜
ついでといっては何だが、判別が難しい多摩丘陵の多摩川の分水界をざっくりトレースした (地図中オレンジの線)。その南側は境川ないし鶴見川の水系。東京都稲城市と川崎市麻生区、宮前区は流域としては二分されていて、行政界と合致しないのはややこしい。
小田急は多摩線の建設にあたって線路を付け替え新百合ヶ丘駅を新設したのだなぁ。開発で分水界の判別がむずかしい箇所が多い。
ゴルフ場は分水界を曖昧にするから困る。