気象庁いわく
アメダスは1974年11月1日に運用を開始して、現在、降水量を観測する観測所は全国に約1,300か所(約17km間隔)あります
気象官署の中には、同じ名称のアメダスでも雨量計と風速計が別の場所に設置されている、といったものも少なくない。
いまひとたび。設置されている海抜の高いものを暖色系で、低いものを寒色系で示した。
アメダス描画=
「約17km間隔」という気象庁の説明は誤解を招きかねないと思う。山間部でとくに空白域が多い。平野部はともかく山間部ではレーダーのブラインドとなる空白域も発生しやすいだろう。その山間部に豪雨があれば下流にリスクが増すということは誰でもわかるが、たとえば利根川や荒川の源流域に豪雨が降っても認識されにくい。
一昨年も書いたが、たとえばアメダス箱根(No.46161)は駒ヶ岳東面、海抜 855 m の芦之湯に設置されている(芦ノ湖より 130 m も高い)のだから、この雨量計が大きな数値を出しやすいのは当然だ。湯本にある箱根町役場(海抜約 100 m)とは乖離が大きいはず。しかしながら「箱根では 24 時間雨量が 900 mm を超える記録的な......」などとスキャンダラスに報道されやすく、トリッキーでもある。
私は横浜に住んでいるけれど、アメダス横浜(No.46106、横浜市中区山手町)から約 17 km 離れていて、気温も降水量も常に体感とのズレを感じている。横浜スタジアムのプロ野球が雨に降られていても、私の自宅はまったく降っていない、などということはザラにある。
高温で有名だったアメダス館林(No.42366)は、移設された途端に目立たなくなった。
「もっとアメダスを設置して空白域をなくせ」などという話をしているのではない。
「空白域に想像を致す必要があるのでは?」という話をしている。
「各々のアメダスには個性があるのでは?」という話をしている。
雨がまったく降らなかったら、それはそれで困る。阿夫利神社で雨乞いするはめになりますね。
(きっとまた2年後くらいに書く)
アメダス降水量と気温の一覧マップおよび20の気象レーダー配置も参照を。
※当ページはアメダス観測施設の探訪を薦めるものではありません
余談。
この1年半ほどで、ドメスティックな、内向きの視野や思考ばかりが増幅し氾濫している気がする。
人々が自由に国内外を出入りできない状態は、いろんな方面のガラパゴス化を亢進させている気がする。
「メンタルな鎖国」みたいな。
五輪を含め、いろいろマズい。