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崩壊斜面と高速道路

公開日: 2025年5月4日

航空レーザー測量成果、能登半島地震後の2024年12月20日に作成された国土地理院の 1 m メッシュ (標高、DEM1A) から輪島市、鷹ノ巣山の大規模斜面崩壊の箇所。メッシュコード 563607 - 12、13 を使用

昨年6月に書いた記事 の続き。シームレス画像が昨年何月のものか分からないが、レーザー測量のほうが新しいと思う。このメッシュでは崩壊斜面がガリーのごとく浸食下刻しているように見える。昨年9月21日に台風14号の豪雨被害を受けた後のレーザー測量だろうか。どちらにしろフレッシュな斜面崩壊と河道閉塞による天然ダムはレアな絵といえるだろうか。よく読むと天然ダム北側の標高点 186 m 付近も南へすべったようだ。
いま現在の地理院地形図は地震発生前のものだが、能登の面的更新もそろそろ近いと思う。

建設予定だった高速道路は設計変更でルートを変えるのではないかと私は想像していた。次は金沢河川国道事務所から当初の計画

金沢河川国道事務所から輪島道路2期

国土交通省は4月23日の 記者発表 で、高規格幹線道路である国道470号輪島道路 (Ⅱ期) について今年度当初予算により (仮称) 鷹ノ巣山1号トンネル工事に着手予定だと新規公表した。それに先立ち4月7日に「能越道鷹ノ巣山1号トンネル工事にかかる技術協力業務」という競争参加資格に関する公示が出ていた (次は JETRO から)

建設工事の内容(参考)
 【能越道鷹ノ巣山1号トンネルその1工事】
 ・トンネル掘削(NATM工法)及び覆工 延長762m
 ・輪島道路(Ⅱ期)輪島市杉平町地先~輪島市三井町地先の事業管理、施工管理等 1式
 ・予定工期は、建設工事に係る契約締結日の翌日から720日間
 【能越道鷹ノ巣山1号トンネルその2工事】
 ・トンネル掘削(NATM工法)及び覆工 延長681m
 ・鷹ノ巣山2号トンネルの覆工およびトンネル断面拡幅 1式
 ・輪島道路(Ⅱ期)輪島市杉平町地先~輪島市三井町地先の事業管理、施工管理等 1式
 ・予定工期は、その1工事完成後、令和11年度末を予定

波線は私が引いた。1号トンネルは二つの工区に分けるということだろうが 762+681=1,443 m は従前と変わらない気がする。
しかし、すでに2021年3月に貫通していた2号トンネルの断面拡幅とは、どういうことだろう?
道路規格は1種3級で設計速度は 80 km / h。曲線半径は道路構造令15条にしたがえば原則 280 m (やむを得ない場合 230 m) 以上に、縦断勾配は同令20条にしたがえば 4 % (やむを得ない場合 7 %) 以下となるはず。
もともと精細な図面は公表されていないが、崩壊斜面を法枠工で固め当初通りのルートをとるのか、あるいはシロウトの想像にすぎないが規格の枠内で2号トンネル北口から平面線形を少し西へ曲げ縦断勾配を増して崩壊地を回避し、猿谷をカルバートで跨ぐのかなぁ?

なお 北陸地整 (令和3年、PDF) によると2号トンネル (延長 951 m) は安山岩質で「強風化岩が出現し、切羽の崩落も確認された」とある。

ゴールデンウィークらしい写真をひとつ

国営昭和記念公園にて

立川と昭島にまたがる国営昭和記念公園のお花