Japonyol » ブログ » 阿寺の断層

阿寺の断層

公開日: 2025年5月11日

阿寺 (あてら) 断層帯のごく一部、航空レーザ測量データを基に作成された国土地理院 1 m メッシュ (標高、DEM1A) から。
メッシュコード 533724 - 82 および 533724 - 92 を利用した

地震本部 によると、おおむね北西~南東方向に延びて右横ずれが卓越するとのこと。断層崖とキレイなリニアメント。
JR中央西線は切土で断層を通過しているが、トンネル坑口が被ると危険だろうから、これは意図的な設計だろうか? 現在の中津川駅から坂下駅の間が開通したのは1908 (明治41) 年、坂下駅から三留野駅 (現在の南木曽駅) が開業したのが翌1909 (明治42) 年とのことだが、その当時の土木界に断層に関する知見があったか否かは分からない。
リニア中央新幹線は坂下駅の南東およそ 3 km ほどのところでこの断層帯と直交するかんじ。

この断層帯に沿って鉱泉が散在している。
特急「しなの」が振り子式の本領を発揮するのは坂下から以北だったと憶えている。

阿寺という地名を コレ で調べると、岐阜県には恵那市上矢作町に小字としてあるのみ。南信の大桑村に阿寺山・阿寺川の自然地名と読書ダム右岸に小字阿寺があり、断層の名に冠されたのはこの阿寺山地に由来するようだ (下呂市による)。

なお会津の三島町に阿寺沢があり、栃木大田原に小字阿寺が、南魚沼には阿寺山や阿寺沢の自然地名、埼玉飯能に小字阿寺、山梨上野原には自然地名と小字、浜松市天竜区に小字、そして愛知県新城市の豊川左岸に自然地名と小字がある。どうやら「あてら」は陽あたりの良くない土地を意味するらしい。

山形県大江町の「左沢」は「あてらざわ」と読むが、その由来は「あちら・こちら」が転じたとか、アテの木 (ヒバ) に接尾語がついたとする説とか、アイヌ語に由来するとかいった説があるらしい。同じ「あてら」でも阿寺と通底するものはなさそう。

うずき連 の踊りと鳴り物

阿波おどりを見てみたいものだが徳島は遠い