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輪島道路2期と中央道の渋滞

公開日: 2024年6月9日

進捗しそうにない輪島道路Ⅱ期

能越自動車道は復旧が進められているが、輪島道路2期も建設中だったところに元旦の災害があった。
北陸地方整備局 金沢河川国道事務所 から

金沢河川国道事務所から輪島道路2期

猿谷高架橋の基礎工事と仮称1号トンネル掘削には未着手だったのだろうと思うが、市ノ瀬町の工事予定地は大規模崩壊で埋もれた。
1月18日に出したマップを再掲

専門的なことはちっとも分からないが、仮称1号トンネルはマスムーブメントの場所を避け東か西へ曲げるだろうか?
西側だと縦断勾配の限界からして高架橋が長大になってしまう、東側に迂回したらトンネル1本が追加となるだろうか? どちらにしても地すべり跡の地形ではある。
より優先度の高いものから着手しているだろうし、輪島道路2期はそうとう先送りになるのだろうか。工事進捗状況のページ も更新されていない。
水道などインフラの復旧も遅々としてはかどっていないように見受けられ、能登の方々が気の毒でならない。

中央道の改築とサグ

日本道路交通情報センター (JARTIC) のアナウンスを聴いていると昔は渋滞箇所として「猿橋バス停」が頻出していたが、最近はほとんど聞かなくなった。

NEXCO中日本に、少し古いが 中央道改築事後評価 および 同資料 (2008 (平成20) 年) があった。
上りの課題箇所として小仏トンネル (縦断勾配 3.2 %)、猿橋バス停のサグ (- 1.3 % から + 2.5 %)、笹子トンネル (縦断勾配 5 %) とその内に入れない規制による渋滞が挙げられている。
下りは鶴川大橋のサグ (- 0.3 % から + 5.0 %、長さ 1.8 km) と鳥沢橋のサグ (- 3.7 % から + 3.2 %) が代表例として示されていた。

6車線拡幅などの改修によって状況は改善されたとしている

たびたび線形改良も加えられているけれども、古い高速道路で縦断勾配が大きいし雨天時はあいかわらず怖いことに変わりない。

緩和曲線のクロソイド (Clothoid Curve) が日本で最初に国道17号三国峠で導入されたのは1952 (昭和27) 年、いっぽうサグ (Sag、縦断線形の凹部の底部) という概念は越正毅ほか「高速道路のトンネル, サグにおける渋滞現象に関する研究」(土木学会論文集 No. 458、1993) によると80年代初頭から認識されたもののようで、歴史は浅い。なお凸部の変化点はクレスト (Crest)。

トンネルの中は視覚的に勾配を認識しにくいうえ心理的にもアクセルを踏みにくい。明かりのサグは錯視というか上り勾配であることに気づきにくい。Bottle Neck となるのはドライバーの心理にも起因するのだろう。
道路もまた科学なのだと思い至る。優先されるべきは経済効果ばかりでないね。

首都高6号三郷線の堀切ジャンクション最上層の上り線を走ると特に50代以上の男の子は喜ぶと思う (マップ中に位置を示してあるのでストリートビューで見てください)。実際にハンドルを握って走ると画像以上にバンク (横断勾配) があるように感じるので楽しい。
道路構造令に定められる横断勾配の一般原則は片道2車線の場合 2 % のはずだが、ここなどは例外なのだろう。

なおグーグルマップは一般ユーザーの恣意的な書き込みを可能にしているが、この「ひとのフンドシで相撲をとる」システムがレビューや評価、クチコミなどでさまざまな問題を起こしているのは周知のこと。
上掲の Maps API では飲食店など一部の POI (Point of Interest) を表示しない設定にした。道路などの建設予定地に城跡や遺跡を積極的に書き込んでいるユーザーもいるようだが、そういう思想的な意図や私情の書き込みは好きじゃないので。

ところで、いまは「ウィークリースタンス」(Weekly Stance) という言葉があると息子氏に教わった。いわく受発注などについて

たしかに金曜の夕方に仕事のメールが入ったり休日出勤を強いられるのは鬱陶しい。
業界や業種、職種を問わず、こういう相手を思いやるスタンスになれば良いと思う (そういう私も昔は印刷や製本の業者さんに無理を言って迷惑をかけ申し訳なかったなぁと思う)。
残業するのはデキる奴、時間外の労働は美徳、みたいな昭和のロジックはもう若い世代には好まれないね。