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その後の千曲川治水対策

公開: 2021年08月22日, 更新: 2023年04月11日 by ちずぞう

2年前、台風19号による洪水に関連して「千曲川の堤防」を書いたが、治水対策が進行中。

千曲川の治水対策

国交省北陸地整の千曲川河川事務所が「信濃川水系(千曲川)緊急治水対策プロジェクト」として事業を開始している。
POI および POI の流量を増やす河道掘削工事中とのこと。
なお地図中の青いポリゴンは国土数値情報「低位地帯データ」長野県で周辺部よりも標高が低く排水が困難な地帯。

ほかに堤防強化工事、排水機場等の改良、防災ステーション建設に着手するなど、多角的に対策を講じるようだ(こちらも参考=信濃毎日新聞の記事1および記事2

中野市上今井に予定されるという POI は、りっぱな旧河道を使うようだ。おおむかし上今井橋のところを貫通して削り残した環流丘陵なのだろう 人工的な付け替えなのだそうだ。同時に、立ヶ花から飯山市蓮まで「なんでソコを流れた?」という感じの先行河川。
地理院地図「自分で作る色別標高図」から(以下同じ)

旧河道

いさぼうネットの『歴史的大規模土砂災害地点を歩く』コラム65「長野県北部夜間瀬川流域の土砂災害と砂防事業の歴史」によると、もともと千曲川は東の延徳へ大きく蛇行してから立ヶ花へ流れていたようだ。長野電鉄・桜沢駅~新保あたりが低い。

延徳たんぼ

流路が成り立つうえで夜間瀬川扇状地の影響は小さくないらしい。きれいな扇。

夜間瀬川扇状地

志賀高原から土砂がドシャドシャ(失礼)供給され、また洪水で夜間瀬川の流路が変わった作用で現在があるということか。

千曲川上流は上田から屋代、更埴にかけ霞提がいくつかあるのがわかるが、効果的な規模の遊水地を新たに設けるのは難しい気もする。
「被害が出ました」で終わりではなく、その後「どういう対策が講じられているか」を見るのも大切だと思う。

余談。
人文、自然、土木などなど何でも地図にしているが、安定的に人気があるのは「鉄道」ネタだ。
次いで「技術・ツール」系、道路などの土木系が続く。
県境の未定とか木地師とか「トリビア」系は、テレビで放送されるとすぐ反応がある。
もっともウケが悪いのが「地学系」ネタで、本当に人気がない。
そもそもウケ狙いでやっているわけではないので、気にせず書いているけれども。

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