標庫はふだん閉じられていて、中にある日本水準原点をうかがうことはできない。だが6月3日の「測量の日」に先立ち年に1日だけ一般公開されるので、初めて見に行った(5月22日)。
永田町の 。東京湾の平均海面上24.3900m(2011年の東日本大震災後。大正12年の関東大地震後は24.4140mだった)。
「東京湾の平均海面」を観測しているのは、三浦半島の (明治27年7月~)。
国土地理院の資料より、水準原点と験潮場の関係。両者が対になって初めて意義を成す
日本水準原点標庫。日向となっている(左)側が正面。日陰となっている(右)側が裏面
正面は、最上部に菊花紋章に挟まれ「大日本帝国」、そして「水準原点」と、華美ではないが重厚な扁額
標庫の室内、舟形台石に水晶板が嵌め込まれている。Latitude: 35.677219417, Longitude: 139.747847
国土地理院の資料から、日本水準原点の構造
うしろに回り込むと、舟形台石の尻の大きな刻印が目に飛び込む
その下に、当時(明治24年)の関係者5人の名前が刻印されている。しゃがんで覗き込まないと見えない(実に奥床しい)。当時の陸地測量部「三角科」という部署名が素敵。
川上操六の名はどこかで聞いた気がしたが、司馬遼太郎の『坂の上の雲』に登場する薩摩のひとだ
水準原点標庫の周囲には付属点(一等水準点)が5か所ある。北西側にある付属点「丙」は、展示のため蓋が開けてあった(これも小豆島産の花崗岩か?)。「甲」も「乙」もすぐ近くにある
水準原点標庫のすぐ南西側には、衛星測位でモニタリングしている電子基準点「東京千代田」。2018年3月26日より運用、準天頂衛星システム「みちびき」やGPSなどを観測中。
Latitude: 35.677175306, Longitude: 139.747646722
その内部も見せてくれていた。上段にGNSS受信機やルーター、下段には傾斜計など
配布された資料が収まったクリアファイル
全国の水準点は「全国の三角点など測量基準点一覧マップ」にまとめてある。
こちらも参照を:相模野基線