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『手仕事の日本』

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言わずと知れた柳宗悦の名著。日々の生活に根ざした道具の美しさと価値を指摘し「民藝」と呼称して思想に昇華させた。
昭和18年に書き終えられたもので、手仕事の大切さを説いている。
この本に述べられている各地の「民藝」の品々を、グーグルマップに纏める。内容は岩波文庫の巻末に示されている地図と同一ではない。

「結果としては、本書は、滅びていった手仕事の遺書になってしまった」と巻末の解説で熊倉功夫氏が述べているが、事実、上記の品々は廃れ消えたものが多い。しかし、柳宗悦の思考は滅びるわけでない。

徳島・阿波藍のくだり、

化学は染めやすい人造藍を考え出しこれを安く売り捌きました・・・日本人は人造藍で便利さを買って、美しさを売ってしまいました (p.183-184)

本文には「美しさ」と「健康」という言葉が繰り返される。農村や職人への目線は暖かい。
経済と効率を優先し伝統を蔑ろにすることの危機感を、随所に読み取ることができる。

仕事は悦びで為されるよりも、儲けのために苦しみを忍ぶ方が多くなってしまいました (p.111)

今の不健康な時代に照らすと、言い得て妙。時代の流れにあらがうことはできないけれど。

駒場の「日本民藝館」には、これらの品々が収蔵されているとのこと。いずれ訪れてみようと思う。

柳宗悦著、手仕事の日本(岩波文庫)