阿賀野川の流域、分水界を描く

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published: 2022-01-19, updated: 2022-01-19 by Campo Salado

水系としての本流指定部分は阿賀野川 87 km と阿賀川 123 km の合計 210 km で、流域面積は 7,710 km²、下流部の河川水流量は日本最大級とのこと。

ざっくり分水界の線をひいてみた。東縁は中央分水嶺。下流は信濃川と混同するので無視した。水色はアメダス、黄色はダム。
会津盆地周辺のダムは灌漑用が圧倒的に多く、かたや左支の只見川はひとつを除いて発電用。

古文書によると、1418年の阿賀川の流路は現在の宮川(鶴沼川)であったらしい。その後1536年の記録では、現在の流路に近いものになっているとのこと。
1611年、慶長会津地震が発生して阿賀野川中流の狭窄部が山崩れで堰き止められ「山崎湖」と呼ばれる湖が形成、50年以上も湖が残っていたとされている。
現在でいえば、おおよそ次のような感じだろうか?

山崎湖推定

なお近くの磐越西線でも松野隧道が地すべりにより1917年に圧壊し、ルート変更を余儀なくされている。

蛇行が大きくあまりに排水が悪いため、1921(大正10)年から1935(昭和13)年にかけて山崎狭窄部の蛇行区間で河道をショートカットする泡の巻、土堀、袋原という3本の捷水路の開削がおこなわれたとのこと。
2万5千分の1「喜多方西部」(参謀本部、明治43年測図昭和6年修正 Stanford University Libraries)から一部

昭和初期の喜多方市と会津坂下町周辺の地図

そのさらに下流、西会津町にある滝坂地すべりの規模は南北約 2.1 km、東西約 1.3 km、地すべり層厚は最大約 140 mで日本最大級の第三紀層地すべりとのこと。古くは1169年から災害が記録されているらしい。
ここの直上流もまた、昔は牛海という湖であったと古文書に記されている。これも地すべりによる堰き止め湖か(左岸?)

磐梯山には1888年噴火で生じたカルデラや火山岩屑流原があり、桧原湖、小野川湖、秋元湖などは噴火による堰き止め湖。
流域の火山はほかに吾妻山、安達太良山、沼沢カルデラ、尾瀬の燧ケ岳がある。
浅草岳は玄武岩、安山岩からなる成層火山で、噴火活動時期が約170万年前と相当古いため、侵食が進み火口は確認されないそうだ。その北西の八十里越に近い沼の平もダイナミックな地すべり。

尾瀬のほか駒止湿原、雄国沼、谷地平などの高層湿原もある。
他にもいろいろ、てんこ盛りの流域という印象。

ダムは 日本全国のダム一覧マップ から、アメダスは アメダス降水量と気温の一覧マップ から該当分を抜き出した。

参考=国土交通省水管理・国土保全局 - 阿賀川阿賀野川河川事務所Wikipedia、「滝坂地すべりの概要と最近の話題」(中谷、2018)、「西会津に伝わる二つの消えた湖」(近藤、2011)ほか

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