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静岡市麻機の低地と清水の治水

公開: 2021年06月21日, 更新: 2023年04月11日 by ちずぞう

湿地といえば菖蒲(※個人の感想です)

菖蒲

新旧の地図から比較

参謀本部2万5千分の1地形図、大正4年測図昭和5年鉄道補入「清水」Stanford Digital Repository の一部。都市化が進む前の時代なので、情報量が少なく、むしろ読みやすい。

大正4年測図昭和5年鉄道補入「清水」

POI 稜線の西は河床勾配が急な安倍川が土砂をさかんに運搬。
いっぽう東は巴川の河床勾配が緩慢で水が停留しやすい。この POI があった盆地状の旧麻機村は、堆積作用から取り残された低湿地。大昔は内湾だったそうで、いかにも地盤が軟弱そう。

淺畑の東隣、長尾川の下流は絵にかいたような天井川だが、これの運搬する土砂が、ただでさえ勾配の緩い巴川の河床を高くするので、1907(明治40)年から5年の改修をおこない、巴川と平行させて POI を下流に伸ばし、水はけを良くしたとのこと(平行は 1.6 km 以上に及んでいる)。そこからさらに下流は、旧河道を串刺しにするように直線的に変更されたことがよく分かる。

66.4 m の標高点があった小さな山を切り、POI や特別支援学校が建っている。なぜそこに立地したのだろう?
池を埋めて住宅地にされたところもある。

これら治水事業や土地改良のなかで、薩摩土手はともかく、巴川を逆流させる大谷川放水路(青の線)が、いちばんの白眉だろうか?
この放水路は1974(昭和49)年に建設開始、完成は1999(平成11)年とのこと。

※2022年9月、台風による被害が出た。次は上掲の古い地図「清水」の東側

大正4年測図昭和5年鉄道補入「清水」の東部

巴川の旧河道でかなり浸水したもよう。

Gato

余談。
静岡は、目がクリっとした丸顔の女性が多い気がしている。
その北に「甲信越」という謎の括りがあるが、昔から信と越は仲が悪いというか、とくに県境近くは互いを見下していた気がする。
そんで私は、甲(山梨)の人とウマが合ったためしがない(私の人格的な欠陥のせいだと思う)。

ミャンマーのニュースが流れるが、民主主義は是、軍政は非、という対立軸が報道の基本になっている。
しかし、国家や民族によっては、そうでもない場合がある。
バックグラウンドを思慮しないと独善に陥るかもしれない、という警戒は、大事だと思う。

テレビは、よく言われるように、くだらない。だが、世の中とか人生なんてものは、くだらないもの、ムダなものばかりだ。
そういうものを削ぎ落してしまうと、日々の暮らしの中にマージンや遊びといった余裕も失う。(※個人の感想です)

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