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新丸山ダムと酷道418号

公開日: 2015年9月15日

岐阜県可児郡御嵩町と同県加茂郡八百津町にまたがる丸山ダムは、1955年(昭和30年)木曽川水系木曾川に完成した重力式コンクリートダム。洪水調節、農地防災や発電を目的としている。
1959年(昭和34年)9月の伊勢湾台風では十分な洪水調節機能を果たしたが、1983年(昭和58年)9月の台風10号では上流域に降った集中豪雨で木曽川は過去最悪の洪水となり、丸山ダムでは制御不能となって下流の美濃加茂市は浸水し大きな害を被った。

このダムの機能を増強するため、かさ上げによる再開発事業が行われる。新しく建設されるのが「新丸山ダム」で、既設の丸山ダムの下流側47.5mの地点に既設の丸山ダムを20.2mかさ上げするとのこと。
常時満水位は186.30m、サーチャージ水位が205.30mという仕様なので、標高200mでトレースしてみたのが次のマップ。橙色の線は、国道418号。

色別標高図の海域部は海上保安庁海洋情報部の資料を使用して作成

右岸・左岸とも谷の勾配が急なので、マップで平面的に見る限りでは極端に大きくなるようには見えないが、総貯水容量は8割増し、洪水調節容量は3.5倍以上という計算。
酷道418号の通行不能区間は、ほとんど水没する。バイパスの位置などからして、本来の「予定調和」なのだろう。

堤高 総貯水容量 洪水調節容量 常時満水位 サーチャージ 非越流部標高
丸山ダム 98.2 m 79,520,000 m³ 20,170,000 m³ 179.80 m 188.30 m 190.00 m
新丸山ダム 122.5 m 146,350,000 m³ 72,000,000 m³ 186.30 m 205.30 m 210.20 m

今般の鬼怒川の洪水の場合、上流域の川治、五十里、川俣、湯西川や三河沢といったダム群の洪水調整能力が限界を超えたわけでないから、中流域の治水の問題だろう。
こちら木曽川の新丸山ダム完成は、何年後なのか予定は見通せていない。「50年に一度の豪雨」が毎年のように起きる昨今の異様な気象状況では、洪水などの天災がどこでも起こりうるのだろう。