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マップの画像タイルを読む

公開日: 2022年8月28日

次は数年前に撮影した横浜スタジアム。何時ころに撮った写真か、お分かりいただけるだろうか?

横浜スタジアム

本塁から投手板を経て二塁に向かう線の理想方角は東北東だと野球規則には記載されているが、この球場はそれより約82°のマイナスだ(方位角およそ -14°53′)。
冒頭の写真は3月の朝8時台に撮影したもの。4時の方角の照明塔の影がマウンドを覆い三遊間まで伸びている。

国交省の Plateau と地理院のシームレス画像

ふたつのタイルを比較検討。

まず Plateau。画質はおおむねビビッド、ただし提供されているエリアはかなり限定される。
横浜スタジアムのウイング席は完成しているが桜木町の AIR CABIN は影も形もない。スタジアム照明塔の影が北北東寄りに長く伸び、球場北側の落葉樹は涸れ芝生は褐色になっていることなどから、2019~20年の冬季、昼過ぎに撮影されたものと推測できる。保土ヶ谷や三ッ沢などにも利用者がいないので平日だろう。
ついでに POI はファンネル(煙突)に赤いラインが2本あるので日本郵船の飛鳥 II であることが分かる。

かたや地理院のシームレスは Max 18(マップ右上のコントロールで切り替え、
ウイング席はライト側が完成済だがレフト側が工事中だから五輪の前。落葉樹は青々としており影は北東方向へわずかなので、2019年の夏至に近い時期の南中から2時間近く過ぎた時間帯だろうと推測できる。また関内駅から南西に延びる をはさんでビル側面の見え方が変わる。都市部では地面の見えるところで巧妙に画像を繋げる(seam)のだろう。画質はマイルドだが都心など見ても日影の部分もある程度は見られる。

を見比べるとよく分かるが、おおむね Plateau のほうが「真上から」の補正をかけてある印象。このあたりの技術はどんどん向上するだろうが、撮影からリリースまでかかるコストは大きいだろうとも思う(参考=国土地理院 オルソ画像

タイル画像は歪の補正・正射変換のほかレタッチもおこなわれているはずだ。光線が強いと陰陽のコントラストは大きくなる。ありていに考えたら夏至の頃の太陽が南中する時間帯が撮影に最適なのだろうが、現実にはなかなか難しいと思う。Plateau だけでなく Google Maps などでも影が長く伸びアンダーとなって見えにくいところは少なくない。特に山間部は尾根の影に覆われ谷が暗くて見えない、というところもざらにある(頻繁に山間部を見る私は困る。Google Maps の最大の特徴と売りは POI(Point of Interest)にあるのであって Satellite 画像そのものではないだろう)

衛星であれ飛行機であれドローンであれ、画像の解像度は今後も上がっていくに違いない。土木建設か防災か、など目的により対象は大きく違ってくるだろうが、プロでもマニアでもない私のような一般コンシューマーにも読画のスキルが求められるようになっていくのもまちがいないだろうと思う。
困難なのはZ軸だ。高低差を航空(衛星)画像で認識するのは極めて難しい。深い谷に架かる橋梁が歪んで写っていることは珍しくない。3Dによる可視化も高度になるとは思うが、しばらくは専門的なソフトを必要とする時期が続くように思う。現状の一般HTMLで3D表現はかんたんじゃない。たとえば静岡県の の画像を見て地すべり地帯だと認識するのは斯界のプロでも容易ではないのでは?(Google Earth 使えばいいじゃん、と言われそうだがそれは疑似だから違う。ストリートビューは秀逸だが)
地形図を読み陰影起伏図などを組み合わせ想像力を働かせるのがアナログな基本だろうとは思う。現地に行けたらベストだが。

以前も出した次の耳納山地の写真は降雪して光線が弱くモノトーンだが、むしろ山襞は良く分かる

筑後川と水縄断層

もしもこれが真夏の強い光線下で緑に覆われコントラストが大きいと、見えるものや印象は異なってくると思う。
画像タイルのプロバイダはいくつかある。見比べると、気付くものも違ってくるのではないか。

余談。
シウマイ球場 横浜スタジアムは青空球場である他にも良いところがたくさんある。
ファンはマナーが良いし、関係者通用口から入っていた頃はチアの diana のお嬢さんたちが「お疲れ様でーす」と礼儀正しく明るく挨拶してくれるし、ボールガールやバットボーイなど裏方の若い子たちはいつもキビキビと仕事をしてくれている。観客としても気持ちが良い。このへんはベイスターズやDeNAの方針もあるのだろうし、文化なのだろうとも思う。先週の観戦はポンチョで蒸し上がったが。
三浦大輔氏のキャッチボールの相手を務めさせてもらったこともある(白歴史)

一方で「昭和の野球の粗暴さ」は現代の潔癖によって淘汰されていて、それは良いことだ。しかしスポーツに限らず生活や文化の全体で、神経質なまでの潔癖志向によって寛容や同情や憐憫などの余裕あるココロまでも失いつつあるのではないか?

次の写真は昨日8月27日の17:37(日没まで約40分)試合開始前。光源は低く光線はすでに秋。息子氏による(ゲームは惨敗)

2022年08月27日ハマスタ

以前も書いたが、かつて衆院議員会館で安倍晋三氏と会って話した(黒歴史)とき、その人格なり性質に特異な曇りを感じたので私は支持したことがない。たとえ支持していたとしても国葬は現内閣の行き過ぎだと思う。