Japonyol » ブログ » OECDの公財政教育支出データを図示

OECDの公財政教育支出データを図示

公開日: 2022年9月21日

経済協力開発機構というと、昔は「世界の金持ち国家グループ」みたいなイメージもあった。
そのOECDが公表するデータに「公財政教育支出」がある。すでに使い古され手垢が付いたデータだが、教育機関に対する直接支出と、家計に支給され教育機関が管掌する教育関連の公的助成が含まれる。
Education resources から Public spending on education, Primary to post-secondary non-tertiary(GDP に対する割合)を図示、加盟38ヶ国にキー・パートナーのブラジルと南アフリカ、加盟協議中のアルゼンチン、加盟手続が中止となったロシアを含む42ヶ国の平均は 3.13 % とのことなので、これを上回る国を赤色で、下回る国を青色で、濃淡もあわせマップに示した。
経済規模や人口構成などさまざまに背景は異なるが、その国が公教育に注力しているか否かを端的に示すものだと思う。

最高はコスタ・リカで 4.748 %、次いでノルウェー。最低はアイルランドで 2.162 % となっている。
日本は下から4番目、ロシアと同じレベル。しかも近年の日本の政府統計は不正や改竄ばかりで信頼性がないので、実際はもっと低いかもしれない。GDP(Gross Domestic Product)でも日本は 42,239 US dollars/capita でOECDの平均(45,182 US dollars/capita)より低い。

経済インデックスばかり重視し公教育を軽視している政治家と財務省および財界の失策だと思うのだが、各々が考えるポジショニングは、だいたい次のような感じではないのか

演算子の使い方には誤謬があるかもしれないが、実情は3番目の感じではないだろうか

<暴言> 政治家は財界の思うがままに操られているに過ぎないのではないかと思う(カネや票の匂いを嗅いだらカルトにさえ尻尾を振る)。そして官僚は政治家の下僕と化している。昭和の時代に「経済は一流、政治は二流」などと揶揄されていたが、基本的に変わってない。
公務員や、任期付の稼業に過ぎない政治家は叩かれやすい。だが財界は今や労働者から突き上げられることもない。官僚に律されているように見えて天下り先を与え飼い馴らし、政治家も利用して法人税増税を許さず社会格差を広げ内部留保と私腹を肥やしているのだと思う。民間人校長や実務家教員を採用させる傾向などもまさに「思う壺」だろうし、それで結果的に国力は凋落している </暴言>

むろん、公財政教育支出や GDP の数値が高ければ高いほど幸福な生活を享受できるという意味でもない。数値は数値に過ぎず、大切なのは内容と質だとは思うが、この点でも日本は問題があるように思う。かつてのように「破天荒」とか「豪放磊落」といった規格外の人物が育つ余地はなく、すべての人々を規格内に収斂させていくような平均化バイアスの強い社会が果たして幸福なのか否か? 誰が悪いのかといえば一国民である私も悪いのだが、投票くらいしか出来ることがない。

各国の大学の状況はまた異なってくると思うが、日本は大学を取り巻く状況もこれまたロクなもんじゃないことは各種の報道や発表で想像に易いし、とくに国公立の台所事情は相当に厳しいようだ。2001年の中央省庁再編と2004年の法人化の失敗だと思う。そろそろ検証と反省が必要な時期ではなかろうかな?
うちの娘氏や息子氏が卒業した大学、いずれも都内の中規模私大だが、どのような財務状況だったのか、講義にどの程度の資本が投下されていたのかなど保証人の私には見えにくかった。学費は泣くほど高かった。

余談。
うちでデバイスを選ぶディスクといえば プーチンの Back to the U.S.S.R. クライバーの未完成

クライバーのシューベルト

オーケストラの編成が大きいわけでもないが pp から ff までレンジが広くナイーヴな演奏なので、パワーのあるアンプと再現力のあるスピーカーがないと聴けない。あるいはしっかりしたヘッドホンを使うしかない。CDもいつまで再生できるか分からない。

庶民の声はいつもピアニッシモ。首相は「人の話を聞く」と言っていたが、フォルティッシモしか聞こえていないようだ。