親不知と橋立金坑

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公開日:2020-07-17 更新日:2020-07-18

金(Gold)の価格が上がっているが、日本で金山といえば鹿児島の菱刈、古くは佐渡が有名。

糸魚川の昭和初期地形図

参謀本部5万分の1地形図「泊」(明治43年測図昭和5年修正)の一部。
新潟の糸魚川はPOIヒスイ産地として有名だが、金も採れていた。現在は廃坑となり自然に還っているPOI橋立金坑は、採掘の歴史は古く上杉謙信時代という説もあり、最盛期の明治30年には年間 200 kg の金を産出した小規模鉱山とのこと。遺構も残るが今は到達する道がないらしい。また糸魚川には、銀を産出したPOI蓮華鉱山跡もある。

この古い地図、沿岸部の変わりようを読むのが楽しい。北アルプスが日本海に落ちる難所のPOI親不知あたり、記載されている旧北陸本線の隧道は既に廃止。この時代では数少ないロックシェードらしき記載がある。現在は、えちごトキめき鉄道、北陸新幹線、北陸自動車道がトンネルや橋梁で並走する。現代土木の勝利という感じ。
市振は、POI漁港の建設(1965年~)によって東の海岸からの漂砂が遮断され、海岸侵蝕が著しく進んで現在は砂浜がないに等しい。1989年11月には市振駅構内で寄り廻り波のため護岸が決壊している。

松尾芭蕉は

親しらず・子しらず・犬もどり・駒返しなどいふ北国一の難所を越えて、つかれ侍れば、枕引よせて寐たる

などと記している。よほど神経をすり減らし、くたびれたのだろう。

余談

『越後つついし親不知』という水上勉の小説がある。絶望的に暗い作品だが、冬に親不知の断崖を訪れたら、実際そんな侘しく鬱屈した雰囲気があった。
親不知や蓮華温泉を訪れるなら、夏がいい。そこで金(Money)を使えば喜ばれる。

参照=「構造物による海浜変形とそれに伴う海岸決壊」(土屋・河田・山下・西)、糸魚川市糸魚川ユネスコ世界ジオパークほか