陸地測量部明治35年測図大正6年鉄道補入5万分の1地形図「折生迫(おりゅうざこ)」を重ねて載せる。
清武川の河口の位置が現在とは異なる。1662年に発生した外所(とんどころ)地震により加江田川の河口部が陥没、大きな入り江となって清武川はこの内海に注ぐようになり、昭和20年代後半まで直接海には流れ込まず加江田川河口に合流していた。
この地域では、2005年の台風14号により大規模な災害が発生した。
の北麓は直線的な谷底平野が山地奥部まで発達しているため、緩斜面で河床勾配も緩い。そのぶん、上流部は急に高度を増し勾配30度以上の急斜面や渓流が発達する。
南麓にあたる広渡川上流域も同様、地すべり地形や流れ盤・受け盤など地質構造を反映したと推定される地形が多いという。
おもな崩壊地点を水色でプロット。シームレス画像をズームして見れば、他にも土砂崩れや地すべりが多発していることが分かる。
参照=「2005年台風14号による宮崎県鰐塚山北麓および北郷町広渡川上流の崩壊・土石流」(古閑・堀川・宇城・谷内,『応用地質』47巻4号,2006)
1892(明治25)年、飫肥(おび)街道に完成した赤レンガの は、宮崎県で最古の道路トンネルで県の指定有形文化財。現在この山域を縦貫する東九州自動車道(E78)が建設中(2022年度開通予定、ポリラインで示した)。
が施される。
古い地図ではまだ青島以南に日南線ができていないが、海沿いに「宮崎軽便鉄道」の記載がある。1913(大正2)年開通、1962(昭和37)年廃止。さぞかし「鬼の洗濯岩」の眺めが良かったことだろう。
折生迫駅の近くに、当時のレンガ積み橋脚の遺構を Google Maps のストリートビューで見ることができる。