能登半島の国土地理院電子地形図25000タイルが6月30日に面的更新された。原典は令和6年4月撮影の数値写真 CCB-2024-1 および令和6年4月~5月撮影の数値写真 CCB-2024-2 となっていた。
次のマップにブルーで示した海岸線は、国土数値情報行政区域データから震災前の輪島市と珠洲市を切り取ったもの。特に輪島市の西部、大沢漁港から門前町にかけて海岸線が変化しており、皆月湾の隆起などは露骨
崩壊による地形の変化も書き込まれている。上掲マップ中に紫色の circleMarker を付したのが鷹ノ巣山、次はあらかじめキャプチャしておいた地震前の鷹ノ巣山
マップ中に示した電子基準点や三角点も災害が発生する前のもの。輪島市西部の一等三角点下山村や電子基準点 輪島 (付) は隆起により高まっている。
なお国土地理院のシームレス画像タイルはおおむね震災後のもの。
色別標高図や陰影起伏図の更新にはまだまだ時間がかかるのだろうと思う。
maps.gsi.go.jp はおよそ10年くらいになると思うが、旧版のタイルもアーカイブとして公開していただきたいものだ。国土の変遷を知ることができるのだから、国家と国民にとっても大きな財産だと思う。紙の地図を売り上げるという従前のモデルが行き詰まるのはまちがいないだろうとも思う。
余談。夏が来れば思い出す。かつては道路舗装にコールタールが使われていて、その臭いはなかなか強烈なものがあった。現在はアスファルトやコンクリート舗装に置き換わっているので工事現場で臭いを感じることはない。
昭和の時代にはいろいろあった「街のにおい」は、ことごとく消えた。