全国各地で例年以上にクマが現れている。環境省によると
令和2(2020)年度は、比較が可能な記録が残る平成21(2009)年度以降、クマ出没件数、人身被害人数及び許可捕獲数は過去最多となり
(令和3年度第1回クマ被害対策等に関する関係省庁連絡会議から)
上掲の写真は伊勢原の大山で撮った注意喚起の看板だが、優れたデザインだと思うし、色づかいも良い。
「落石注意」などの標識と同じで注意のしようがないが、ようするに「覚悟しとけ」あるいは「さっさと帰れ」という意味だと思う。
今年2021年の報道された情報をマップにプロットしてみた。もちろんニュースにならない目撃情報のほうが遥かに多いはずだが、実害も多く、北海道の厚岸では4月10日に男性が亡くなった。ヒグマに限らずツキノワグマも危険。
※7月2日、北海道福島町白符で女性が亡くなった。
※7月12日、北海道滝上町滝ノ上原野で女性が亡くなった。
※10月2日、青森県平川市碇ヶ関久吉で男性が亡くなった。
※11月25日、北海道夕張市富野でヒグマに襲われたと推定される男性の遺体が発見された。
クマの行動範囲は相当に広いようなので、警戒するに越したことはないのだろうと思う。
私はカモシカ、サル、ライチョウ、グアナコなどの野生動物に出くわしたことはあるが、クマには遭遇したことがない(したくない)。
ウシの脳味噌やヘビを食べたことはあるが、熊掌(ゆうしょう)は食べたことがない(食べたくない)。
北海道の苫前で1915年に起きた三毛別ヒグマ事件を描いた吉村昭の小説『羆嵐』(新潮文庫)は、読んでおいて損はしない。
かつて北アルプス某所で「生きてるクマの脳天をナタで割った」という武勇を聞かされたことがある。
若い人には信じられないだろうけれど、昭和というのは、そんな時代だったんですョ。
危険な野生動物に対しては、容赦なかったんですョ。