長良川と揖斐川は河川法の上では木曽川水系とくくられる。私はこの木曽三川について、出口の河口はほぼ同じという雑な理解をしているが、各々の源流や上中流域はどのあたりなのか、あいまいでよく分かっていない。
個人的に愛知県は乗り換えで通過したことしかなく名古屋駅の外に出たこともなく、岐阜県は高山と濁河温泉しか行ったことがなく、今後も訪れることはたぶんないのだが、きちんと認識するためザックリと分水界をたどってみた。
この三川が集中する濃尾平野が洪水のリスクを抱えるのは納得。
『車窓から觀た自然界 - 東海道』(脇水鐵五郎、1942、誠文堂新光社)によると
美濃の三大川の、何れにも鮎はゐる。しかし香魚といはれる鮎特有の風味に至っては、三川の間に、可なりおおきな逕庭がある。一番大きく肥えてゐて香氣の最も高いのが、揖斐川の鮎、次が長良川の鮎で、木曾川の鮎が最も劣る
アユのエサとなる珪藻が繁殖するのに条件が良いのが揖斐川、良くないのが木曽川ということらしい。
木曽川の上流部には乗鞍岳と御嶽山という現役の火山があり、火砕流堆積物の土壌では珪藻が生育しにくいということか? 地質図を見ると、本流よりむしろ支川の飛騨川や馬瀬川のほうが影響が大きい気もするが、本書で言う木曽川は本流のことだろうか?
実際に当地のアユを食べ比べたことがないので、この説が正しいのかどうか分からない。
森の哲学者から知恵を借りたいくらい(貸してはくれない)。
日本の主要な分水界のマップ も参照を。