外務省が所管する国際協力機構(JICA)の 事業実績 から、2021年度無償資金協力の実施状況を図示。
2021年度に贈与契約(G/A, Grant Agreement)が締結された案件の供与限度額と全体に占める割合、対象は46ヶ国。
ほかにアフリカ地域(広域)として1件5.44億円、構成比 0.8 %があり、総計71件694.88億円、構成比 100.0 %となっている。
JICA の事業内容は他に技術協力や国際緊急援助など多岐にわたるが、中国が途上国に対し圧倒的な攻勢をかけているので、日本の相対的なプレゼンスが低下しているのはまちがいない。
昭和の時代、信州大図書館で JICA の『海外移住』という機関誌を見つけたことがあった。ふうん、とペラペラめくった記憶がある。
インターネットのない時代だったので、知的好奇心は図書館や書店にあった。なにげないアクションが点になる。
それから数年後、JICA を通じ南米へ行くことになるとは当時の私は夢にも思ってなかった。
横浜市磯子区の根岸駅近くに、JICA の海外移住センターという施設があった。古くは外務省移住斡旋所と呼ばれ、神戸と並び海外移住の拠点だったところ。そもそも JICA の前身のひとつが海外移住事業団だった。
義父母は昭和30年代に、ここから中米のドミニカ共和国へ移住した。そこで後に裁判にもなった問題があっていったん帰国後、南米のパラグアイに再び移住した。当時の社会状況は、第1回芥川賞を受賞した石川達三の小説『蒼茫』を読めば想像できる。
1992年の秋に私は海外移住センターで渡航前研修を受け、93年チリに渡った。帰国したのは96年(青年海外協力隊ではない)。
信大図書館でのペラペラ流し読みが結果的に現実につながった。現在、海外移住センターは廃止されマンションになっている。
先月、JICA から冊子が届いた
いま若い方々の視線が海外へ向かっているのかどうかは知らない。シビアな経済状況だから、向きにくいかもしれない。うちでも、娘氏に「ボストンに留学したら?」と言ったら却下されたし、息子氏は海外に興味も関心も示さない。
しかしチャンスがあれば、行っても良いのではないかと思う。
日本の社会が閉塞して未来の見えない状態だからこそ、海外で経験を積むには良い時機かもしれない。今は ODA や国際協力どころじゃない、という意見も出てくる局面だろうが、むしろそれらが必要な時代だろうと思う。とくに中南米の場合、腰掛けの旅行者気分で行くのではなく、人生を賭けた移住者の先達諸氏の生きかたと死にざまを学ぶならば、意味があることではないかなあ?
点と点ができてつながれば線になる。その結果が人としての一面や側面になる。契機は、なにげないアクションから起こったりする。
残念な余談
この声が国土地理院には届いていない