JR西日本が公表した赤字ローカル線もマップに描く

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公開: 2022-12-02, 更新: 2022-12-03

初めに雑感。酷道や険道という呼称は戦前の雑誌『道路の改良』* 第12巻11号(1930(昭和5)年11月)所収の徳田茂による漫録「東北を一巡して」に用いられている。

道路の改良第12巻11号から

「某新聞から秋田縣の酷道險道の名稱を附せられた」とあるので、初出は「某新聞」だろうか。歴史の古い秋田魁新報が用いたか、それとも全国紙が揶揄したかのどちらかだろう。後者の可能性が高いだろうか。
同誌の第14巻1号(1932(昭和7)年1月)には川野義士による漫録「河童の寝言」でも次のような言及が

道路の改良第14巻1号から

いかに当時の道路事情が酷かったかが、うかがえる。旧体字で腐嶮道と書かれると迫力が増す。
『道路の改良』の奥付には発行所が社団法人道路改良会となっているが、内務省の土木技術官僚が主に執筆している。中には筆致が厳しいものもあり、当時は圧倒的に優勢で既得権益に固執する鉄道省をボロクソにこき下ろし国会議員を批判しているものも少なくない。また太平洋戦争が近づき世相が怪しい中でもウィットやペーソスもあり愉快だ。
昔の官僚は無骨だった、などという意味ではない。そもそも憲法が違うので。
* URL は http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/dokai/

さて本題

日本国有鉄道が分割民営化されJRになったのは1987年。
平均通過人員2,000人/日未満の線区ごとの2021年度までの3年間の平均収支データをJR西日本も発表した。
19年度の実績で輸送密度(1日1キロ当たりの平均旅客輸送人員)が2000人未満だった17路線30線区を赤色でマップに示す。
各線をタップないしクリックしてください

こちらはニュースリリースのPDFに参考として略図が付されているが、東日本と同様にマップを作った。

NHKによると

...赤字額の累計は247億円余りでした。
...赤字額が最も大きいのは、山陰線の出雲市から益田の35億円で、次いで紀勢線の新宮から白浜の29億5000万円となっています

芸備線の東城~備後落合間にいたっては100円の運輸収入を得るために23,687円の経費がかかるという惨憺たる状況。
以下は JR西日本 の注意書きの一部

3.収支率はその区間でかかる費用に対する収入の割合、線区営業係数はその区間で100円の収入を得るためにかかる費用を表しています。
4.管理費(本社・支社にかかる費用)は除いています。
5.四捨五入の関係で、「収支率」「線区営業係数」「線区営業損益」は「線区運輸収入」「線区営業費用」による計算結果と一致しない場合があります。

100年ほどで鉄路と道路は完全に形勢が逆転している。関係ないが最近のアスファルト舗装は強烈な臭気を放たなくなったなぁ。

鉄道の線形データは 全国鉄道路線図 からJR西日本の在来線のみ抜き出した。廃止された鉄道路線と駅のマップ も参照を。

余談。Santiago Bernabéu でレアル・マドリード vs. セビージャを観戦したことがある。レアルはFWにサモラノとラウル、中盤にラウドルップ、レドンドやルイス・エンリケなどがいた。
今朝テレビでW杯を見たらルイス・エンリケがスペインの監督になっていて、時間軸がバグった。27年も経っていたのか