東京駅だけ見れば栄華を誇っているように思われるJR
平均通過人員2,000人/日未満の線区ごとの2021年度収支データをJR東日本が発表していた。
19年度の実績で輸送密度(1日1キロ当たりの平均旅客輸送人員)が2000人未満だった35路線66区間を赤色でマップに示す。
各線をタップないしクリックしてください
こういうニュースは図で可視化されにくいので、やった。
これらの路線は今になって赤字なのではなく、国鉄の時代からずっと赤字であろうことを念頭に置かないといけないように思う。
逆に、どの路線のどの区間がどの程度の黒字なのかは公表されない。理由は理解できるが片手落ちの感はある。
毎日新聞によると
区間別で赤字額が最も大きかったのは、羽越線の村上(新潟県村上市)―鶴岡(山形県鶴岡市)間で約50億円だった。
設備や人件費などの営業費用に対する運輸収入の割合(収支率)が最も低かったのは、陸羽東線の鳴子温泉(宮城県大崎市)―最上(山形県最上町)間と、久留里線の久留里(千葉県君津市)―上総亀山(同)間でいずれも0.5%。このうち陸羽東線の鳴子温泉―最上間は100円の運輸収入を得るために2万31円の経費がかかる状況だった
以下は JR東日本 の注意書き
※運輸収入、営業費用、収支の数値は切り捨て、営業係数および収支率は四捨五入としております。
※数値切り捨ての関係で、収支は運輸収入と営業費用の計算結果と一致しない場合があります。
※収支データについては、運輸収入や営業費用の配分等、一定の前提条件のもと算出しております。
※収支は当該線区の鉄道事業にかかる運輸収入および営業費用のみを計上しており、本社・支社・指令所等にかかる収入および営業費用は計上しておりません。
※営業係数は、営業費用を運輸収入で割り、100をかけた数値となります。100円の運輸収入を得るのに要した営業費用を表す指標です。
※収支率は、営業費用に対する運輸収入の割合を百分率で示したものです。
※只見線 会津川口~只見間および上越線 越後湯沢~ガーラ湯沢間の収支データは開示しておりません。
今回の公表が廃線などに直結するものではないとしているが、予備軍であることはまちがいない。
JR東日本に限らず、地方の鉄道が存続するには高く困難なハードルが多いと思う。廃止する地域ごとに対処するだけでなく、普遍的に高齢者の足を公的に確保するとか自動車運転免許の取得可能年齢を15歳に引き下げるなどの担保がないと、地方は未来がどんどん失われるのではないかなあ?
若者が運転するのは危険だという意見もあるだろうが、よほど高齢者のほうが危険だと思う。私も38年間にわたってバイクや車を運転してきたが、動体視力も反射神経も判断力も瞬間的な空間認識も10代の頃が最も鋭敏だった。これらの能力がめっきり衰えてきた54歳の今がいちばん運転が下手だという自覚がある。おまけに、電車に乗って立って揺られていると、てきめんに腰痛がくる。
鉄道の線形データは 全国鉄道路線図 からJR東日本の在来線のみ抜き出した。廃止された鉄道路線と駅のマップ も参照を。
余談。
日曜夕方の TBS 世界遺産をときどき見るのだが、映像にエフェクトをかけすぎているきらいがある。この番組に限らず、民放は映像に過剰な修正を施し美化しすぎるケースが多い気がする。肉眼で見るものに近い状態でよかろうに。視聴者にとって良いこととは思わない。
またわれわれ中高年は人生経験というコンテンツを持ってはいるものの、そのアウトプットを誤るとハラスメントや老害になりやすいという実例もテレビは見せてくる。これは反面教師にしないといけない。