一般財団法人自動車検査登録情報協会に 自動車保有台数のデータ がある。
ここから都道府県別の軽自動車を含む乗用車のみ抽出 (貨物車、乗合車、特殊車と二輪車は割愛) し図示してみる。
なお最新のデータは2024 (令和6) 年11月末現在。比較のため30年前の1994 (平成6) 年3月末のデータも示す。
色分けとランキングは世帯 (令和6年1月1日住民基本台帳) 当たりの台数による。全国平均は1.0613台/世帯、これより少ないのが寒色
2024年の全国合計は62,340,569台。たんに台数だけを見れば愛知県が425万台あまりでトップ、これは中国地方5県の合計をも超える。
1994年の全国合計は41,060,611台、現在は人口減少の局面に入っているにもかかわらず保有台数は5割増し。おおむね世帯数の増加に比例しているほか、免許証保有者が増えたのか、クルマは家族ではなく個人に属するものとなったのか、いろいろ理由は推察できる。
(なお1994年の新車乗用車販売台数ランキングは、1位カローラ、2位マークII、3位マーチ、4位シビック、5位クラウンとなっていた)
マップに可視化すると、電車など公共交通機関で生活が完結できる地域はきわめて限られるということもわかる。東京都は半数以上の世帯でクルマがない (いらない) という計算になる。
地方は鉄道やバスなど公共交通が衰退している。これも保有台数増加の一因だろうし、高校生の通学にも大きな影響を与えていると思う。
米国では多くの州で16歳から運転免許が取得できる。モンタナ州などは条件付きで14歳半から自動車の免許が取得できるらしい。日本でも取得可能年齢を現行の18歳からたとえば条件付きで16歳に下げるといった検討もされてよい気がする (16歳の運転が危険だとは思わない。よほど高齢者のほうが危ない。私立高校では送迎バスを運行させているところもあるようだ)。
なお 国立社会保障・人口問題研究所 によると世帯総数は2030年をピークに減少へ転じるとのこと。少子化も止まらないから自動車保有台数の頭打ちも近い。ただし地方では高齢だからといって免許証を返納しクルマを手放すのは容易でない。
最近では世代 (Generation) という言葉は10年くらいの短いスパンでとらえられることが多いように思う。だが10年区切りは Decade だ。
さきにも引用したが吉行淳之介と田村隆一の「湧き水について」という対談 (『ユリイカ』1974年7月号) から
吉行 ジェネレーションというのは三十年、というのは中学で教わったよね。戦後それが……。
田村 断絶しようと思ったって断絶できないのが三十年なんだから。
吉行 そうなんだ。
田村 だから明治維新から、やっと三世代が終わって次がくるぐらいじゃないの。
吉行 あれはイギリスだね、きっと……やっぱり、ちゃんとみてるね。
田村 自分の息子が三十歳になるってことでしょうな。だから、世の移り、世の中が変わる場合の軸となるものはどうしたって、三十年です。
たとえば「親が亡くなったら孫が生まれた」とか「不思議な廻り合わせみたいなのがあるよねぇ」といった話を聞くことは珍しくない。
だが私も還暦ちかくなって気づいたのだが、これは Generation の廻り合わせ、移り変わりだ。
だいたい30歳くらいと60歳くらいで家族や身内は入れ替わる。
半世紀も前の本から学ぶものもある。初めてこの対談を読んだ30代のころはいまひとつピンとこなかったが、トシをとってみないと分からないこと、というのも確実にある。本来的な意味からすると「Z世代」などという用い方はオカシイということになるが、しかたない。
そういうわけで上記の乗用車保有台数も30年前と比較した。
3 Generations でおよそ Century というとらえかたは世の移り変わりを考えるうえで参考になる。国際連盟の発足が1920年、中国共産党の成立が1921年、ソ連の成立が1922年など、そこからだいたい3世代が廻ったことになる。
【予想をお聞かせください】最初に退場するのは誰だと思いますか?
このミニアンケートを実施した結果、トランプと回答された方が半数以上、習近平とプーチンはほぼ並んだ。
if, else の条件分岐しだいで世界の情勢は大きく変わるだろうと思う。それ以上のことは私のような凡庸な人間には分からない。