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山口県の火山

公開日: 2017年6月14日

山口市の大原湖を成す佐波川ダム、その左岸に長者ヶ原。
これが極厚の熔岩流原なのだそうだ。

ふたつの小さな凹地が火口とのこと(マップ中の Marker POI および POI )。

緩傾斜な頂部をもつ高台であり、滑らかな凸形尾根型斜面の急崖に囲まれている・・・
その頂部の馬蹄形の尾根は火山砕屑丘であると解される

出典=『建設技術者のための地形図読図入門』(鈴木隆介著、古今書院)

発電所から下流は谷底の幅が広いことから、佐波川はかつて広い谷底低地を形成していた。
次は、旧陸地測量部の5万分の1地形図「長門峡」(明治32年測圖昭和2年修正測圖)の一部。
ダム水没前の大原集落付近は谷底の幅があり、ダムから佐波川関水までが熔岩流原で閉塞された狭窄部であったことが窺い知れる。
また長者ヶ原には凹地の記号が現在よりも多い。
オマケに、現在ダム湖に浮かぶ191m標高点の島の得体が知れない。移動山塊か?

地形図「長門峡」の一部

なお色別標高図で露骨に判る、大原湖右岸を通るリニアメント(Lineament)は、右横ずれ断層を示すとのこと。
地質図を ON にすれば、流紋岩と花崗岩に占められた地域にあって長者ヶ原だけが「約15万年前~約1万8000年前に噴火した火山の岩石(安山岩・玄武岩類)」となっている。