東京都が、船便しかない小笠原諸島で滑走路数百メートルの小規模飛行場の建設を検討している。
従来は約1200mの滑走路を検討してきたが、世界自然遺産に指定された環境にも配慮し、縮小に転換を図るという。
2018年度予算案に調査費1億2千万円を計上するとかなんとか。
古い5万分の1地形図「父島」(陸地測量部・参謀本部、昭和11年発行「軍事極秘」)の一部。
この島の地形図を見る限り、むかし しか候補地はなさそう。帝国海軍が砂州を埋め立て建設したらしい。
だが南南西の象鼻崎~北北東の豆腐岩に近い突端まで(赤い線をひいた)直線距離は940mあまりしかない。
埋め立てか、または環境保全を重んずるか。山を切ったり谷を盛ったりするのも容易ではないだろう。
滑走路は、ボーイング737などの小型ジェット機で約1800m、同747などの大型機は3000m程度の距離が必要といわれる。
乗機定員数十名のプロペラ小型機が限界だろうか。
東京都港湾局が運営している神津島空港は、長さ800m・幅25mとのこと、このくらいが適当だろうか。
それでも、無いよりは善いに違いない。
なお小笠原諸島が日本に返還されたのは1968(昭和43)年のこと。
完成したアカツキには、私も行ってみたい(昔は横浜から上海まで3泊4日の船旅などしたが、今そんなヒマはない)。
参考=上條明弘「父島洲崎の変遷について(その2)―洲崎飛行場と太平洋戦争―」首都大学東京『小笠原研究年報』第33号(2010)