自然の常態

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公開日:2021-03-21 更新日:2021-03-21

現代仮名遣いに直せば、ごく最近の文章のように感じると思う。

頻繁な災害に國土は引續き荒廢し僅に残された國富は喰い潰されて居る。既に工業力其の他が稍回復を示して居る今日も災害方向は減少の見込みが立たない

これは今から72年も前の『土木學會誌』第34巻第4号(1949(昭和24)年9月発行)に掲載された「我が國河川計画の現状」(建設省・紀本正二)冒頭の文章。戦後まもないころだ。
ここでいう災害とは、1947年のカスリーン台風、48年のアイオン台風、46年の昭和南海地震や48年の福井地震を指していることはまちがいない。

このところ「多発する自然災害」という言い方をたびたび耳にするが、ちょっと長めのスパンで見れば、もともと日本で自然災害は多発している。今年2021年、昨日までに日本周辺で起きたマグニチュード5以上の地震は次のとおりだが、多いと見るか少ないと見るか?

10年分の地震記録を見ても、起こって当然といったあんばい。

地面が揺れるだけでなく、山は崩れたり滑ったりする、川は蛇行したり下刻したりする、空からは雨や雪が降り風が舞う。
いずれも自然の常態、自然の Ordinally Effort というか、デフォルトの事象なので、起こることはしかたない。
完璧な防災など無理だし、また災害に打ち克つなどと考えるのは傲慢だろうと思うし、そもそも専門外なので、当サイトではずっと「防災」について深入りしていないし、客観的なデータを示すにとどめてきた。しかし「超常現象」系や「煽り予言」系のサイトからリンクを張られるのは、困ったものだ。

昨夕、風呂に入っていたら宮城沖で地震が起きた。横揺れのなか「さて、どうしたものか」と思ったが、すっぽんぽんで飛び出したら家庭内災害なので、難しいところ。

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