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シリア、イラクとISIL

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イスラム過激派組織のいわゆる「イスラム国」ISIL(The Islamic State in Iraq and the Levant)が支配している都市などが「The New York Times」によって示されている。これをグーグルマップに示してみる。
上記の記事は今月の更新とされてはいるが、状況は日々刻々と変化しているはず。もっとも、いま現在の精確な状況は一般人には知る由もない。詳しいのは、高度な軍事衛星と諜報機能を有する一部の国だけだろう。

憲法22条に保障される「居住移転の自由」がある以上、個人の旅行を妨げることはできない。この自由権をもってシリアやイラクへも渡航できる。
今般の事件、自己責任に帰すべきとの論、万難を排して救出すべきとの論などある。

日本国民である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する

パスポートに記してあるが、郷に入っては郷に従え、現地の国内法を遵守する必要があり、何かあれば現地の警察機関が初動するはずだが、今回の人質事件では、シリア政府もイラク政府もまったく出てこない。国情を鑑みれば、警察・治安機能が不全だろうから、当然といえば当然かもしれない。

国民の生命・財産を守るのは国家の責務ではある。第一義的には。
身代金の要求はなくなったが、結果的には、膨大な政治的コストを(関係各国に対しても)支払っている。敢えて言うなら、国益を損なっている。個人の「自由」が結果的に国家を翻弄しているというこの事態は、本末転倒ではあるまいか?

外務省が発表する「危険情報」は、海外への渡航や滞在に際した安全に関する情報だが、4つのレベルがある。下へ行くほど危険。

  1. 注意喚起 在外公館の扶助が困難であるなど、渡航・滞在にあたり特別な注意が必要な場合
  2. 渡航延期勧告 渡航する場合は十分な安全措置を講ずることを勧める場合
  3. 渡航延期勧告 治安や政情が不安定で、テロリストなどの武装勢力に狙われたり、クーデターや内戦などの内乱に巻き込まれるなど、生命に危害が及ぶ可能性が高い場合
  4. 退避勧告 その国や地域を統治する政府機能が著しく欠損し、治安当局が機能していないため武装勢力に狙われたり、内乱・武力衝突に巻き込まれるなど、生命に危害が及ぶ可能性が高い場合(殺戮が発生しているなど)

きょう現在、シリアには全土に「退避勧告」が出されている。
イラクは、トルコ国境付近や南東部を除く大部分に「退避勧告」が出されている。

「人道」などという概念はさらさら持ち合わせていないであろう ISIL のような集団が跋扈している地域へは、「勧告」という生ぬるい措置ではなく、もっと強制力をもった渡航制限ができないものかと思う。
旅券法19条1項「外務大臣又は領事官は、次に掲げる場合において、旅券を返納させる必要があると認めるときは、旅券の名義人に対して、期限を付けて、旅券の返納を命ずることができる」のうち第4号「旅券の名義人の生命、身体又は財産の保護のために渡航を中止させる必要があると認められる場合」との明記がある。
憲法22条の自由権の濫用を阻止し、一定の歯止めをかけるものだろうが、適用してもよさそうなものだ。

「自由」は、無制限なものではないし、決してアンタッチャブルな権利ではない。フランスの新聞社の件も同様だが、分別を伴わなければ、ただの「唯我独尊」に陥る。
一定の枠組み(縛り)の中でこそ「自由」は有効に作用し、ありがたく感じるものなのではなかろうか。