今から50年前の土木学会誌、第56巻第10号(1971(昭和46)年10月)に「自動車交通の実態とその将来」(堀江興)がある。
日本の大都市におけるモータリゼーションは,昭和30年代から加速度的に増加していたが,昭和40年代に入っても自動車の増加傾向は続いている
1964(昭和39)年の東京の自動車保有台数は 1,063,199 台、これがわずか5年後の1969(昭和44)年には 2,005,489 台というデータが示されている。
自動車検査登録情報協会に都道府県別自動車保有台数(軽自動車含む、令和3年6月末現在)のデータがあり、東京は 4,416,846 台となっている。各都道府県をクリック(タップ)して下さい。最多はトヨタのお膝元、愛知県。全国合計は 82,348,003 台。
人口は e-Stat 令和2年国勢調査人口速報集計の値を用いた。
当然だが地方ほど人口比の保有割合が高い。
たとえば長野県は約205万の人口に対し191万台あまり、県民のおよそ93.5%が自動車を保有しているという計算になる。
一方で東京は約1,400万の人口に対し約441万台なので、およそ31%にとどまる。「あれば便利なくても平気」なので、これも当然。
半世紀ほど前の日本は、1人当たり国民所得が 1,000 ドルに満たずイタリアやアルゼンチンと同じレベル、千人当たり自動車保有台数はポルトガルやチリよりは多い、という程度だったようだ。
この論文では、課題として排気ガスによる公害や騒音が挙げられている。しかしながら昭和50~60年代にかけてイケイケだったので、バブル崩壊までさほど改善されなかったように思う。2サイクルの原付バイクで 100 km/h 近いスピードが出て、それでもヘルメットの着用義務がなかったのだから、今になって顧みると無茶な時代だったと思う。
当時に比べ自動車もバイクも魅力に乏しくなった。今後はいずれも電動化に舵を切ることになるのだろうが、高齢者の免許証返納が増え、保有台数はまちがいなく減っていくだろうと思う。
余談。先週パンクした。なにか鋭利なものがプスッと刺さった痕があった。横浜に暮らしていて悪路を走るわけでもなし、まさかパンクすることなどないだろうと油断してスペアタイヤは積んでなかったのでJAFのお世話になった。
確率からすると宝くじに当たるようなものだろうと思い、あとでタイヤを買い替えハロウィンジャンボも買った。ポジティブな消費行動と言えよう(言えねぇ)