地図蔵 ▷ 2012年までの記事「風呂と私」

風呂と私

(2005年11月12日)

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★ 私は風呂好き・温泉好きで、湯上りの1杯を加えるとこれが至福のひととき。
★ 娘と息子と3人で風呂に入ると、もう狭くてキュウキュウ。なので今日は1人で湯船につかる。いろいろ思い出した。

★ 中国は四川省、チベット高原の東端にミニヤコンカ山という7556mの巨峰があり、その東麓の海螺溝という谷にはアジア最大級の氷瀑布があります。91年の厳冬期2月、外国人にはまだ解放されていなかったここを目指して第2キャンプまで辿り付いたら、温泉が。

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★ 雪景色の、風の音しかしない森林の中、白骨温泉のように白濁した巨大な露天風呂(プールみたい)では、湯から魅惑の湯気が立ち昇り、貸切状態。縁は階段状になっている。
★ その階段をまず1歩降りると足首がつかり、2歩目でヒザが、3歩目で太腿が、4歩目で息子が、5歩目で腹が、6歩目で胸が、・・・7歩目で首までつかり・・・あれ? 足裏に神経を集中させるケド、まだ先があるみたい・・・
★ 恐怖です! 湯が白濁して底が見えない、というのは! 底なし温泉というのは! しかも単独入湯! なんだかツェッペリンの「天国への階段」が逆転したみたいな、地獄まで続いているような、温泉の底に閻魔様が、あるいは悪魔が、いや水陸両用パンダが潜んでいて、次の一歩で足をムンズと掴まれ笹をむさぼるように引きずり込まれそうなイヤーな感じ。
★ しかし大陸の山奥まで来たのに。「これでは、オレはオレの人生に負けてしまう!」と、とりあえず平泳ぎして帳尻を合わせたのを覚えています。


★ それから数年後。チリはサンティアゴのアパートで、無性に風呂につかりたくなりました。底の浅ーいバスタブに、め一杯お湯をためて入ったことがありました。こんな。

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★ このとき、「オレはオレの人生に負けた」と思いました。