地図蔵 ▷ 2012年までの記事「コンビニエンス(続き)」

コンビニエンス(続き)

(2003年9月19日)

★ 「私はアナグロ人間でして……」と、ある初老の人物。「アナログ」を言い間違えたのはご愛嬌だが、“パソコンのことは良く解らない”という意味の発言だった。私もパソコンは嫌いで、やらないで済むならやりたくないが、世渡りには必須なので学習している。
★ 便利ではあるけれど、これもまた、ものごとの途中のプロセスを省略することができるという物件。まず(1)肉筆で手紙を書かなくなる、(2)物事を知るのに足で稼ぐことをやらなくなる、(3)ハサミやホッチキスなど文房具を使わなくなる。
★ 肉筆はその人の人格がよく現れるが、これがEメールでは解らない。また、タイプライターに長らく親しんできた欧米人の手書き文字が上手でないように、日本人もいずれ字が下手くそになるのは必至(私は既に下手だが)。また、辞書をひいたりする学習の基本的所作の機会を失う。よって文字の変換ミスを頻繁に目にする(このホームページも誤字脱字が多いが)。
★ 3歳の息子が横でマッキントッシュのマウスを器用に動かしインターネットで電車を見ている。果たしてどうしたものか、と思う。私はまだ「便利」の前の「不便」の事実をいくつか知って経験しているので、「便利」の意味が解る。が、初手からパソコンだと、重要なプロセスを省略することになりはしまいか。アナログの基本をまず教えるべきか(自問)。
★ アルカンタラの、カマラ2階の図書室で、久しぶりに日本の図書を開いたときの感覚を今もよく覚えている。……おー、日本語の文字の、字面の美しいことよ(詠歎)。