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[チリワイン No.63] COYAM Emiliana Organico 2004
日経夕刊に連載されている池内オサムさんのエッセイに触発され、『尾崎放哉句集』(池内紀編、岩波文庫)を買って読む。種田山頭火と並ぶ自由律の俳人、名前だけは聞いていた。
銭 が 土 の 間 に 転 り て 音 な し
41歳で亡くなる前、恐ろしく寂寞とした時期の作品を読むと、静寂を詠んだ句が多いと思った。鋭敏な聴覚の持ち主で、そしてたぶん地声も小さい人物だったのではないかと想像した。
沈 黙 の 池 に 亀 一 つ 浮 き 上 る
次の句などはトボケていて可笑しいが、なんだか実直でもある。
わ が 顔 ぶ ら さ げ て あ や ま り に ゆ く
亀田とかいうボクサーや、北の湖親方は、どんな顔ぶらさげて謝りに行ったのかなぁ? と思った。
す ば ら し い 乳 房 だ 蚊 が 居 る
きっとそのオッパイは、白い綺麗な肌であったに相違ない。
咳 を し て も 一 人
挫折したエリートの晩年、悲痛な孤独だけれど、読む態度によっては、落伍者のための福音に陥る。が、私はエリートの対極なので、日常のひとコマとして味が深い。

Viñedos Emiliana S.A.によるオーガニックワイン。
和 尚 と た つ た 二 人 で 呑 ん で 酔 つ て 来 た
そんなヨッパライ・尾崎ホーサイとワインを飲む、しんとした秋の夜。子供の寝息しか聞こえない。

