Google Maps の微妙な部分
この記事について、補足(2007-07-28)。
Google Maps の日本地図は、もともと住宅地図の分野で圧倒的に強い(株)ゼンリンのそれを利用している。ヤフーが買収したアルプス社や老舗・昭文社の「道路地図」あるいは「帝国書院」の教科書地図などとは、根源的に生い立ちが異なると思う。
マイクロソフトの Virtual Earth™ も含め、ネット地図のニーズは、「どこに何の店があるか、駅はどこか」といった、施設や不動産、サービスなどの情報に集約され、「地形」や「分布」といった自然・理科要素についてはさほど重視されないだろうし、実際のところ厳密ではないと思う。ましてや、もともと住宅地図メーカーであるゼンリンにとって、人家のない山岳地域などについてはおそらく情報が乏しいのではなかろうか?
凡そメーカーが恃みとするのは、やはり親方日の丸・国土地理院の次のような「地形図」か。
Google Maps で北アルプスを見ると、実に変化に乏しいタイル群となるが、長野・上高地の場合も、上の国土地理院の図を下敷きにして作成されたのかもしれない。
が、親方日の丸はあくまで測量法なり道路法に則って作図するだろうから、ときに現実の感覚とは乖離した、やや違和感のある次のような地図ができるのだろう(この例も長野・上高地)。「Google Maps 標準」のボタンをクリックすると分かるけれど、県道24号線が河童橋まで伸びていて、知らない人が見たら、「橋のたもとまで車で行ける」とカンチガイするに違いない。また、河童橋からウェストン碑まで、治山運搬路を歩く観光客はまずいない。普通は梓川の右岸を歩く(この点では Mapion のほうがより現実的な地図になっている)。
公式な、登記上の道路規格はそうなのかもしれないが、現実離れして違和感がある。上高地に限らず、自然景勝地へ行くと、「地図」と「事実」の間の乖離に戸惑うことは少なくない。公的な記録に忠実に厳密に従うべきか、デフォルメして利用者が理解しやすいものにするかは、制作側のスタンスによるだろうが。
上の Maps の「カスタムタイル表示」をクリックすれば、私が作ったタイルが einsert.js により呼び出される仕組み(モチロンこれもまた「正確ではない」けれど、感覚的には現実に近いかと?)。
※ infoWindow の中は、上高地西糸屋山荘による穂高ライブカメラを借用しました。好天ならば絶景を楽しめるでしょう。
もっとも穂高に限らず、6月や9月の雨の上高地もまた、幽遠な透明感に溢れていて、とても美しいものです。都会の喧騒を離れ落ち着いた時間を過ごすなら、西糸屋山荘がオススメです。


コメントする
(トラックバックは受け付けていません。)